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「こども霞ヶ関見学デー」での手話教室
学院 手話通訳学科教官 木村晴美

 8月22日、台風11号が接近しているなか、子ども 達は集まるだろうかと心配しながら「こども霞ヶ関見学 デー」での手話教室の開催される霞ヶ関の厚生労働本省 に向いました。
 この「こども霞ヶ関見学デー」は、文部科学省主唱に より、子ども達が夏休み期間中に広く社会を知る体験活 動として、また、中央省庁等の仕組みや施策に対する理 解を深めてもらうことを目的として、22府省等におい て実施したものです。厚生労働本省でも厚生労働行政の 施策に対する理解を深めるためにこの催しものの一環と して手話教室等4つのブースを用意し、見学の子ども( 小学・中学生)40人を4班にわけ、各ブースを順番に 回れるようにしました。
 ブースは、次の通り。
 ・手話教室
 ・盲導犬とのふれあい
 ・VTI職業興味検査
 ・薬物乱用防止キャラバンカー
 午後1時45分から始まった参加者ガイダンスの部屋 をのぞいてみると台風が接近しているにもかかわらず子 ども達とその保護者で埋まってました。
 私が担当したのは手話教室。各ブースの持ち時間は各 班毎に30分。30分だけで子ども達に何を教えること ができるのだろうかと思い悩むが、子ども霞ヶ関見学デ ーで手話を教えるのは実は今回で2回目。言葉は音声だ けでないということを知ることと、将来の手話学習の動 機付けになるよう、手話によるコミュニケーション実感 を味わってもらうことにしました。
 手話教室では、ダイレクトメゾットのひとつであるナ チュラルアプローチという手法を用いて、子ども達に自 分の名前、学年、家族構成を手話で言えるようにしまし た。ホワイトボードにイラストを描いて、導入した手話 単語への理解を促したり、折り紙を使って色に関する手 話表現ができるようにしました。
 小学4年〜6年位の子は私とのコミュニケーションに 積極的に参加するが、中学生位になると周囲の目が気に なるのか、なかなか手を動かそうとしません。そんなと きは私の方も内心焦ってしまうが、シラバスの話題を変 えつつ、コミュニケーションに参加できるように工夫し ました。
 子ども達を相手に手話を教えるのは、手話通訳学科の 学生に対して手話を教える時とはまた別の意味で経験を 積む上でも非常にいい経験になります。子ども達が今回 の体験で、何人かが「将来の手話通訳者」になってくれ るといいなと思いつつ、台風が去ったあとの青空の下、 帰路に着きました。