〔各課紹介シリーズ7〕
指導部生活訓練課紹介
指導部 生活訓練課長

 生活訓練課は、身体に障害のある方に現存能力を最大 限に活用し、日常生活を営む上での必要な諸技能や知識 を習得させ、障害によるハンディキャップを最小限に軽 減することにより、自立生活の能力を高めるとともに、 有意義な社会生活や職業生活を送ることができるように することを目的として生活訓練を実施しています。
 この生活訓練を実施するに当り、従前は、生活訓練科 目(歩行訓練、日常生活訓練、コミュニケーション訓練 、ロービジョン訓練、スポーツ訓練等)の技術評価を基 に訓練計画を策定していました。しかし、これは利用者 に修得した技能が実生活で活用されていない、困ってい ることが漠然としている、一律な訓練に陥りがちといっ た問題点が生じました。
 これを利用者主体の訓練に改善すべく、@アセスメン ト(初期評価)、A訓練計画策定、Bインフォームドコ ンセント、C訓練の実施、Dサービス内容の点検(中期 評価)、E訓練修了という流れの訓練体系を作り、視覚 障害者を中心に生活訓練を実施しています。
 評価の主眼は、障害に起因する社会生活上の不自由を 個人のライフプランに沿っていること、訓練の進捗状況 、個人の能力に見合った訓練方法の適否を判断すること に置いています。
 評価の内容は、視点を生活活動におき、@身辺自立に 関すること、A移動に関すること、B意志交換に関する こと、C情報収集等に関することを評価の主たる内容と して、付随する生活状況の把握、ニーズの把握、生活活 動の状態把握、日常生活活動のチェックを主としていま す。
 評価の方法は、初期評価、中期評価、終期評価を実施 しています。
 訓練計画は、アセスメントに基づき、本人のニーズを 主に組み立て、訓練修了後の生活形態に必要と考えられ る活動動作を基に作成しています。訓練計画書には、訓 練目標、訓練項目、訓練の着眼点、訓練手段、訓練期間 が明示され、従前の視覚障害者=点字といった考えはな く、従前の訓練科目は単に訓練手段となり、訓練目標( 自立計画)に向かってのものとなっています。
 インフォームドコンセントは、利用者と訓練計画書の 内容、訓練修了後の生活形態、自立計画、利用者のニー ズ等を内容とし、確認、説明、質疑を行い、利用者から 同意を得ることにしています。利用者から同意を得られ た時点で、家族、福祉事務所へも同計画書を送付してい ます。
 そして、訓練の実施へと進んでいます。
 以上のような流れの生活訓練を実施するため、昨年か ら生活訓練課内にケースワーカを配置し、50代1名、 40代2名(うち1名女子)、30代2名、20代3名 (うち女子1名)の計8名の生活訓練専門職がその任に あたっています。

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