〔障害者週間〕
平成13年度障害者週間におけるセンター事業について
管理部企画課


 去る12月3日(月)から9日(日)までは「障害者 週間」で、最終日の12月9日は「障害者の日」でした。
 ご存知のとおり、この「障害者の日」は、昭和50年 に国際連合が「障害者の権利宣言」を採択した日にちな んで、「国際障害者年推進本部」により昭和56年に決 定されたものであって、その後、平成5年12月に公布 された障害者基本法において12月9日を「障害者の日 」とすることが明記されました。また、平成7年度から は、毎年12月3日の「国際障害者デー」から12月9 日の「障害者の日」までの一週間を「障害者週間」と定 め、全国各地で様々な行事が開催されています。
 当センターにおいても、障害者の自立と社会参加及び 国民の障害者福祉に対する理解をより一層深めることを 目的として、次のとおり、各種の事業を実施しました。

1 障害者週間記念式典の開催
感謝状を授与される肥沼修さん
感謝状を授与される肥沼修さん
 12月7日(金)の13時半から、当センター講堂に おいて、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課 の佐藤孝一国立施設管理室長を迎えて、当センターとお 隣の国立職業リハビリテーションセンターとの合同で、 障害者週間記念式典を開催いたしました。この記念式典 は、従来、「リハ並木祭式典」の中で実施されていたボ ランティア表彰を今年から障害者週間の記念事業の一つ として実施することと改めたものであります。
 この式典では、開会の冒頭、当センターの中村総長よ り、『21世紀となった今日、「障害」という言葉の意 味が大きく変わろうとしている。身体や精神の働きが普 通ではないという個人中心の見方から、一人一人を取り 囲んでいる物理的環境や社会制度を重視することへと考 えを変えること、いわゆる医学的モデルから社会モデル への転換が起こっている。このような考えに従って、平 成12年の社会福祉法の改正により、平成15年からは 、身体障害者福祉にも利用契約制度が導入される。わが 国においても新しい理念を実現するために、第1歩はふ みだされた。このような変化に対応し、己を改革し、明 日に向かって皆が同じように参加していくノーマライゼ ーションの世界を創ることに努力してほしい。』という 主旨の挨拶がありました。
 続いて、職リハの苅部所長より、『現在の日本の雇用 情勢はかなり厳しい状況にあるが、職業能力を身につけ た皆さんを採用したい企業はまだまだ多くある。就職決 定のポイントは、持っている職業能力と就職への意欲、 それを的確に伝える表現力である。職員の努力と同時に 入所者自身の努力をお願いしたい。元気、勇気、根気を 持って、甘えず、焦らず、諦めずの姿勢でがんばってほ しい。』という主旨の挨拶がありました。
 引き続き、佐藤室長が、当センターにおいて10年以 上ボランティア活動をなされた肥沼修さんと小野澤登志 子さんに対して、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉 部長からの感謝状と記念品を贈呈されました。その後、 中村総長が同じく5年以上ボランティア活動をなされた 小比賀黎子さんと荒幡忍草さんに対して感謝状と記念品 を贈呈しました。
 次いで、祝電の披露が行われた後、最後に、ボランテ ィア活動功労として感謝状を授与された方々に対して、 入所者、入院患者などを代表して、更生訓練所理療教育 課程 二部1年2組丸山 弘さんが感謝の言葉を申し上 げ、終了しました。

2 特別講演の開催
特別講演をなされた齋藤晃司さん
特別講演をなされた齋藤晃司さん
 引き続き、午後2時からは、同じく講堂で、国立神戸 視力障害センター生活訓練課程終了生の齋藤晃司さんが 、「 11秒の彼方に 」という演題で特別講演をなさ れました。
 この講演では、平成5年、甲子園大学2年生のとき、 バイク事故で失明したが、その後、神戸視力障害センタ ー生活訓練課程で、熱心に訓練された結果、平成6年に は、見事大学に復学できたこと、盲導犬との苦労話、大 学復学後、初めて陸上競技に取り組み、大学・社会人生 活を通じ、常に上を目指しての練習を行った結果、平成 12年のシドニーパラリンピックでは、100mで4位 入賞、400mリレーでは、銀メダルがとれたこと、ま た、今年のカナダ世界陸上では、100m走で3位とな って、日本人の数少ないメダリスト8人のうちの1人に なれたことなど、貴重な体験談をご披露いただきました 。 
 また、日頃の生活における取り組み方として、好きな もの、得意なものを何か1つ持ち、それを伸ばしていく ことが大切であること、目標や夢を持って生きることで 困難に打ち勝てたり、自分の世界が広がることなどご自 信の信念についてお話されました。
 様々な困難を乗り越えられ、元気にご活躍されている 齋藤さんのお話を通じ、我々聴衆一同大きな元気を得た ような思いがしたひとときでした。

3 映画鑑賞会の開催
 続いて、午後3時半からは、同じく講堂で、字幕入り 映画鑑賞会を開催しました。「学校「 十五才」という 松竹映画で、山田洋二監督作品で、昨年公開され、大い に話題を呼んだ作品であったこともあり、入所者の皆さ んなどが熱心に鑑賞されていました。

4 「障害者週間」に係る垂れ幕の懸垂
 障害者週間等を広報・啓発するため、障害者週間中、 当センター病院棟本館屋上から「障害者週間 十二月三 日−九日 進めよう住みよい福祉のまちづくり」と大書 した垂れ幕を懸垂しました。

5 入所者、入院患者への特別メニュー給食の実施
 12月7日、更生訓練所入所者及び病院入院患者の方 々に対して、特別メニューによる給食(昼食)を実施し ました。

病院本館に懸垂した垂れ幕
病院本館に懸垂した垂れ幕