[随想]
雑感 ウインドー「クラス会」
指導部 生活訓練課長 管 一十

 毎回呼ばれて出席しているクラス会(2001年暮れ 、越後湯沢で)にウインドーを開いてみた。
 クラス会のメンバーは、塩原視力センターの二部3年 課程を昭和61年3月に卒業し、それぞれの出身地の千 葉、神奈川、新潟、群馬で、あん摩はりきゅうを業とし ている14名である。夫婦家族での参加である。
2年に一度開催されるこのクラス会は、すでに20年、 8回も続いており、メンバーも欠けることなく、開催場 所、担当幹事が変わっても、クラス会の内容は変わって いない。
まず、幹事の指定した2時間前にはホテルに集まってく る。挨拶は、「こんにちは」である。幹事の到着を待た ずに、先に到着した者がフロントで部屋割りを決め、後 続組みを受け入れる。クラス会の時間帯も全く変わって いない。18時から21時までが、この2年間のメンバ ー各人の生活を披露する。21時になると、全員が幹事 の部屋に席替えして、メンバーから出される話題一つひ とつに全員が自分の経験と意見を出し合う。経験談は、 失敗談に集中し、失敗の原因を検討する。そして、長老 組みが意見をまとめる方向でほとんどの話題に結論を出 す。普段、メンバーは電話で連絡を取り合っているが、 このクラスへ直接問題を持ち込むとその場で解決案が出 てくる。だから、みんな、2年に1回であるが、出かけ てくる。この流れが、このクラス会を維持させていると ころであろう。
 各人から披露された2年間の内容は、生活に関するも のと仕事に関するものが主であったが、興味をひいたの はレク・趣味に関するものであった。還暦を迎えた長老 グループで・全盲であるが、カメラのこと、車のこと、 ゴルフのこと、山歩きのこと等、センター生活を送って いた時分には考えられなかったことに挑戦していること であった。
 センター生活では、情報の獲得で終わっていたものを 、卒業後体験し、それを生活に取り入れていることであ る。また、それをメンバーが一丸となって成功させるよ う支えあっていることである。家族の支援の仕方につい ても、長老組の意見が翌日から即実践できることから真 剣に話し合っている。これも家族の方もクラスの一員で あることの発想である。
 また、あん摩業を営みながら、50歳にして、現役の 浪曲師にカムバックし、高座に上がっている者。そして 、それを応援するためにメンバーに呼びかけて、浅草ま で出かけ、7年も支援している者。更には地域の同業者 を集め、食べ歩き旅行する会を作った者。盲界で県の理 事を引き受け、活躍している若者、地域で研究会を主宰 している者、人を雇用し、仕事で大いにがんばっている 者等、このクラスのメンバーは、クラスの者たちへは、 それぞれがピュアカウンセラーの役割を果たし、地域に あっては、ワーカー的存在で、活躍している。継続は力 なりの実践部隊のようである。
 自宅開業を支えていた奥さんが勤めに出るようになっ てから、夫が、いままで一度もしなかった洗濯、家事、 調理にとセンターで覚えてきたことをやってくれていま すという報告は、センターの共同生活の生活習慣が決し て、無駄ではなかったと思えた。
 飲んで旧友を温めるのもクラス会の大きな目的であろ うが、一歩踏み込んで、このクラス会のようにケースカ ンファレンスの様相を盛り込んだクラス会について考え させられた「ウインドー」である。
 次回の2003年クラス会は、古巣の塩原で開催する とのこと。またウインドーを開いてみたい。