〔学院情報〕 |
平成13年度リハビリテーション看護研修会について |
看護部 外来婦長 新井美智子 |
去る10月9日(火)〜12日(金)、当センターに
おいて平成13年度リハビリテーション看護研修会が開
催されましたのでご紹介します。今年は、例年にも増し
て北は北海道から南は沖縄まで、29都道府県より70
名を越える応募がありましたが、今回は研修科目として
、「視覚障害のガイドヘルプの演習」を盛り込んだこと
から、勢い員数を絞らざるを得なくなり、受講者数を5
0名に制限して実施しました。
この研修会は、リハビリテーション病院あるいは福祉
施設において勤務しておられる看護婦を対象として、リ
ハビリテーション看護に必要な基礎知識を習得させ、そ
の資質の向上を図るとともに障害者看護の充実を資する
ことを目的として、昭和59年以降・毎年1回当学院に
おける身体障害者福祉関係実務研修会の1つとして、実
施しているものです。
この研修会のテーマとしては、ここ数年は排泄障害や
嚥下障害など個別障害に焦点を当てて行ってきましたが
、今年は障害の全般について研修することを目的として
、「障害と看護」をテーマとして実施しました。
研修会の終了に実施した参加者に対するアンケート調
査結果によると、視覚障害のガイドヘルプ、社会福祉の
基本や近時の動向などについて学ぶことが多く、ために
なったという意見が多くみられ、大変好評な研修会とす
ることができました。
以下、今回の研修会に受講生の一人として参加した当
センターの職員から感想文が寄せられましたので掲載い
たします。
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〜リハビリテーション看護研修会に参加して〜 |
5階病棟 鏡味麻里子 |
テーマ:「障害と看護」のもと、13の講義を聴講し
た。当院5階病棟で眼科・耳鼻科、脊髄損傷の褥創看護
に携わる者としては、まさに基礎を習得する機会となり
、また、「障害」あるいは「障害者」について偏った知
識を改める機会となりました。
私たちが扱う対象が「障害」という全体の中でどこに
位置しているかという視点をもたなければいけないのだ
とわかりました。
視覚障害を理解しようとしたとき、まず、眼の機能を
考える。当たり前のことだが、眼は実に外界からの情報
の90%を得る感覚器であることを再認識すると、人間
が生きるためにはなくてはならないものであることがわ
かる。頭でわかったところで実際にアイマスクをして歩
いてみるとその恐怖感は想像を遥かに超え、ガイドヘル
パーとの信頼関係が正直に出てしまうことに驚く。もし
、視覚障害となった方が、会社に勤める人だったら、主
婦だったら、受験を控えた学生だったら、と考えると日
常に及ぼす障害は様々であり、また複雑なものだと思う
。眼科疾患で治療が困難な疾患に羅患した時、患者様に
診断名を告げても日常生活に何ら改善はなく、主訴に対
する回答を与えることが解決に結びつくとの話でした。
眼科看護の方向性としては、@視覚障害の原因となっ
た疾患の悪化を予防する。A安全で安心した生活を送る
ための援助。である。視覚障害者にとって最も怖いこと
は、衝突や転落であり、信頼関係に直結することである
。眼科疾患看護に役立てていきたいと思いました。
聴覚障害はコミュニケーションと情報収集の障害が主
であり、「眼にみえない障害」である。そのため、@外
見上判断しづらく、社会上そのハンディキャップを認知
されがたい。A聴覚障害者自身が、その障害を隠そうと
する傾向にある。このことが聴覚障害者に不利益に働い
てしまうという。不利益とは、周囲より誤った受け取り
方をされたり、コミューニケーーション不足から周囲よ
り孤立しやすいということである。また、障害を受けた
年齢の時期による問題の違いも特徴という。
障害者と健常者の隔たりは中途障害の方が特有の反応
を示すという。健常であったときの自分との比較、健常
者との比較である。
看護の中で患者様は看護婦だから訴えていくことがあ
るという。そして、看護婦だからこそ入れる部分。ケア
という接触する機会は最大のチャンスに思えてきた。看
護婦でもプライベートな話を少ししながら時には姉とな
り、時には母となりテクニックが必要ではないかと問い
かけられた。先日、「看護婦は演技者」という言葉を聞
き、私の看護観の革命的な言葉となった。今まで直球ば
かりで考えたこともなかったのでこれについてはゆっく
り独自の方法を考えていきたいと思います。
褥創についての講義は日頃の不思議が解明され、また
、ケアの内容を改めて問いただす機会となった。外科の
手術創を観察することとはまた違い、褥創の創状態を観
察することは日々のケアの評価であることを改めて認識
した。課題として、褥創の深達度分類による診断の技術
を向上し正しい評価が出来ること。現在何種類かのベッ
ドを状況に応じて選択しているが科学的根拠をもって選
択できるようになりたい。そして、当院でも時々巨大褥
創を形成し入院して来られる方がいるが、精神的、肉体
的、時間的にあらゆるハンディを背負うことになり本当
に気の毒で切ない気持ちになる。看護に携わる全体の問
題として「3度以上の褥創を絶対作らない」を意識して
いきたいと思います。
4日間を通して学び、「障害」のもつ言葉の大きさ難
しさを改めて感じることができました。看護婦としては
勿論、知的障害の講義では社会の一員としての役割を考
えさせられました。本当にこのような良い機会に参加で
きたことに感謝します。
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月 日 | 午 前 | 午 後 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
10月 9日(火) |
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10月10日(水) |
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10月11日(木) |
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10月12日(金) |
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