[学院情報]
学院リハビリテーション体育学科紹介
−身体障害者のリハビリテーションのための体育及び
スポーツの指導を専門とする技術者の養成を行っています−
 



 本学科は、身体障害者のリハビリテーションのための体育及びスポーツの指導を専門とする技術者の養成を行うために、平成3年4月に2年制の専門職員養成課程として設置されました。平成3年の発足以来10年間で約90名の卒業生を送り出しています。なお、平成11年4月には課程名を「リハビリテーション体育学科」に名称変更いたしました。



リハビリテーション体育とは

 肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、内部障害、知的障害及び精神障害のある方等身体機能が低下した方を対象として、社会で積極的に生き生きと活動することができるよう、運動機能(体力)の向上、健康の維持・増進を図り、またスポーツを通じて生活の質(QOL:Quality of Life)を高めるための適切な運動やスポーツを指導・訓練する分野をいいます。


リハビリテーション体育の専門職員とは

 肢体不自由者更生施設における運動療法実施の指針には、体育・スポーツ的な種目やメニューが多く盛り込まれています。国立身体障害者更生援護施設等では、大学において体育学を専修する学科を修めて卒業した運動療法士という理学療法士以外の者で、身体障害者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操やその他の運動を行わせる業務に従事する職員がいます。また、障害者スポーツの場で、高度なトレーニングを行ったり、障害のある方等に生活の質を高めるためのスポーツの指導等を実施する専門的知識を持った者もいます。このような主としてリハビリテーションの分野で、障害のある方等に対して、体育・スポーツを指導・訓練する者をリハビリテーション体育専門職員といいます。


リハビリテーション体育学科のカリキュラム

 本学科のカリキュラムは、基礎科目および専門基礎科目、専門科目によって構成されています。カリキュラムにおける科目数および時間数は、基礎科目として9科目255時間、専門基礎科目として18科目825時間及び専門科目として26科目1305時間であり、2年間で合計2385時間の講義が行われています。

基礎科目:

 リハビリテーション概論、社会福祉概論、運動心理学、情報処理学など

専門基礎科目:

 解剖学、生理学、運動学、病理学、リハビリテーション医学、臨床心理学など

専門科目:

 リハビリテーション体育原理、リハビリテーションスポーツ運動学、障害児保健体育概論、リハビリテーション体育管理、リハビリテーション体育教授論、リハビリテーション体育指導方法論、運動処方学、障害別スポーツ指導法、臨床実習など


卒業後の資格

 本学科を卒業すると、(財)日本障害者スポーツ協会の認定する最もランクの高い「上級スポーツ指導員」の資格が取得できます。


卒業後の進路

 卒業後は、身体障害者・児施設のほかに、高齢者や知的障害者の施設、障害者スポーツセンター等に就職する者が多くいます。なお、就職先においては、訓練の部署に配属される場合と、生活指導の部署に配属される場合があり、後者では生活指導とともに行事やレクリェーション・体操・軽運動を担当しています。



 以上リハビリテーション体育学科の概要を紹介いたしました。本学科で獲得した技術は、身体障害者の機能の向上をはじめ生活の質の向上、健康の維持・増進等、直接、障害をもつ人々のお役に立ちます。他方、介護・福祉サービスに投入される福祉関連資産が増大する時代にあって、福祉関連資産の抑制という社会的要請と期待に対しても実効性をもって応えられるはずです。身体障害者のリハビリテーションのための体育及びスポーツの指導に興味・関心のある大学生がおりましたら、ぜひ本学科をご紹介ください。



就職先 人数 就職先 人数
高齢者施設 12 障害児・者施設
知的障害者・児施設 進学
障害者スポーツセンター 幼児施設
身体障害者・児施設(リハセンターを含む) スポーツセンター(一般)
教育機関 保健所・役所
病院(整形外科・リハ) 障害者スポーツ協会
病院(精神科 他) その他 16
健康増進関連施設 87

野外活動の様子 競技別大会種目指導法の授業風景