[病院情報]
看護部 2階病棟紹介
 



<概要>

 2階病棟は、 病院新館2階に平成4年7月に開棟された定床数50床の病棟です。 主に機能回復訓練を目的としているリハビリテーション科中心で、 頚髄損傷・脊髄損傷が主な疾患です。 他に視覚障害をもつ機能訓練(ロービジョンクリニック)病棟にもなっています。 病棟の構造は、 1室4名を最高に2人室・個室があります。 患者1人あたりの平均病室面積は8m2で、 廊下・トイレ・食堂・浴室等の生活空間もゆったりしています。
 看護要員は、看護師長、看護師16名、看護助手6名、 朝夕の食事時間帯のモーニング・イブニングメイトの構成で、 勤務体制は、日勤・準夜勤・深夜勤の3交替制で2人夜勤です。 固定チームナーシング継続受持ち方式をとり、 受持ち看護師は入院から退院まで責任を持った看護を提供しています。


<看護の実態>

 看護師は、 頚髄損傷による四肢麻痺および脊髄損傷による対麻痺の患者様、 低視力患者様が各自の持つ能力を、最大限回復・利用できるよう支援しています。
具体的には
1)ADL拡大に向けての支援
 看護師は、24時間患者様の生活を見ながら個人の可能性に視点をむけ、 患者様とのコミュニケーションを大事にし、 一人一人のADLの拡大にむけて訓練部で行っていることを、 その人の生活の中に取り入れることが出来るよう病棟生活の中で見守り・創意・工夫を重ねながら支援しています。 脊髄損傷の方では、行為の方法を数回指導する事と生活環境を整えることで容易に自立することが出来ます。 頚髄損傷の方は、ひとつの事が出来るようになるまでは非常に時間を要します。 時間をかけ毎日の繰り返し訓練が必要で、 患者様も看護師も根気のいることです。 優しくそして時には厳しく見守りながらの看護を提供しています。
 ロービジョンクリニックの患者様には、環境認知を早くしていただけるよう、 そして安全に過ごしていただけるよう安全な生活環境作りに配慮しています。
2)合併症の予防
 頚髄損傷・脊髄損傷であるが故の合併症は種々ありますが、 特に注意することに、尿路感染症・褥創があげられます。 併発することで生活の縮小は余儀なくされQOLは低下されます。 QOLを高める上でも合併症を予防する為の教育・指導を繰り返し行っています。
3)心理的支援
 患者様は、ある日突然、障害の残る体となり、身体機能の低下・能力障害、 それらによって起こる社会的不利益・心理的負担は重大であります。 看護師はこれらのことを良く理解し患者様の思いに耳を傾け、 2次的に生じる心理的・精神的・社会的問題を把握し良く考えて、 必要時他職種と連携を取りながら対応しています。
4)健康管理・教育
 安全で安楽な入院生活を送れるよう、患者様の訴えに耳を傾け、 体調の変化やバイタルサインの変化を見逃さないよう気を配っています。 転倒・転落防止や危険行為など回避する為、他リハチームメンバーと連絡を密にし、 事故防止に配慮しています。そして退院後も障害があっても、 獲得した機能レベル状態を維持増進させるための健康教育を個人の生活レベルで指導しています。
5)家族およびリハチームメンバーとの連絡・調整
 患者様が早期に家庭生活・社会生活に復帰する為には入院時から、 患者様を中心にリハチームメンバー・ご家族と連絡調整しながら、 好ましい環境の場所に退院できるよう支援しています。
6) 家族指導
 障害レベルによっては、機能訓練を実施しても回復には制限があります。 退院後、ご家族・ご本人が困らないよう入院中に、 ご家族に介護の方法や生活の工夫(介護用品・介護保険・支援体制)等指導・情報提供しています。
7) 診療の補助
 機能回復訓練を行いながら治療を平行している患者様、 或いは訓練途上で体調不良が発生した場合の診療補助を行っています。


 限られた入院期間で、患者様が満足して退院して頂く為には、 患者様の目指すゴールとご家族の目指すゴール、 医療者側が考えているゴールにずれがないことが大事です。 医療者側は、患者様・ご家族に、わかる説明をし、 同意のもとにすすめることで信頼関係が生まれスムーズに効果的な機能回復訓練につながると思います。 看護師は、常に五感を働かせ、退院時には、 笑顔で満足して退院して頂けるような看護を提供できる努力をしています。
 お知りあいの方で訓練を必要とされる方がいらっしゃいましたら、リハ外来で入院予約受診をおすすめ下さい。


意見交換会の様子