[研究所情報]
第29回国際福祉機器展 H.C.R.2002に出展して
研究所 障害福祉研究部 社会適応システム開発室 我澤賢之



 今年の国際福祉機器展は、平成14年9月10日(火)〜12日(木)に東京ビックサイト、東展示ホール1〜6で開催されました。東ホール全体で開催されるようになってもう3年目になりました。今年は来場者数が137,112人と、福祉施設関係者を中心に昨年と比較して3,004人増加しました。昼下がりなどは、ブースの前を通る見学者の流れの途絶えることがなく、1日では回りきることのできないあの広い会場での展示会も今はもう定着しつつあるように思えます。
 今年は当研究所から運動機能系障害研究部、補装具製作部、障害福祉研究部の3部が出展を担当しました。そして、「福祉用具で広がる可能性」をテーマに、利用者の活動的な生活をサポートする福祉用具を、次の3つのサブテーマに基づいて展示しました。


国際福祉機器展への出展の様子



1 「車椅子を離れて再び歩くために」

 下半身が不自由な人が、歩行訓練をしたり、歩く喜びを得るための歩行用装具を3点展示しました。モーター駆動や空気制御の人口筋肉の伸縮により装具が動く様子に、多くの見学者が目を留め担当者の説明に聞き入っていました。



2 「もっと活動的に過ごすために」

 電動義手や、スキー用義足、ゆっくり歩きから早歩きまでに対応するマイコン内蔵義足を展示しました。電動義手については、つかんだり、指を開いたりする操作の実演を行い、見学者にもその操作を体験してもらいました。思いのほか簡単に電動義手を試用し、指を開閉できた様子でした。
 また、出展物に関する質問のほか、義手・義足の利用に関する問い合わせなども見学者から多く寄せられ、担当者は休むひまもなく応対を続けていました。



3 「耳と目の両方が不自由な人のコミュニケーションのために」

 「盲ろう者のための携帯電話用点字モジュール」の試作品を展示しました。これは、携帯電話のメール機能を点字を媒介に盲ろう者が利用できるというもので、コンパクトなサイズに点字キーと点字ディスプレイを収めた携帯用コミュニケーションツールです。この種のツールはまだ真新しく、見学者からは、後日出展物に関する問い合わせなどもありました。



 われわれの展示ブースには厚生労働省の方々や当センターの方々、さらには当センターOBの方々も多数お見えになりました。また、出展に至るまでの過程において、研究所長を始め、企画調整官、各研究部長の方々の多大なご協力をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
 なお、来年の国際福祉機器展は、30周年記念として、開催時期は今年より少し遅くなり、2003年10月15日(水)〜17日(金)に東京ビックサイトで開催される予定です。研究所からの出展ができれば9回目になりますが、継続して出展できることを期待して原稿を終わりたいと思います。