[国際協力情報]
マレーシア国民統合・社会開発担当大臣の視察について
管理部企画課



 去る10月29日(火)にマレーシア国民統合・社会開発担当大臣Dato' Dr. シティ ザハラ一行が当センターを視察されました。マレーシアでは1990年の省庁再編時に社会福祉省が国民統合・社会開発省の一部門として組み込まれ、身体・知的障害をもつ人々に対する社会福祉政策・リハビリテーション等を管轄しています。省全体としては、この名称のとおり開発と国民統合政策、内閣における社会問題委員会などを担当している幅広い業務を行っています。
 当日は大臣以下、社会研究所、社会福祉局、教育局、女性局、首相府などマレーシアの政府関係者7名も同行されました。1時間半の短時間ではありましたが、更生訓練所、病院、研究所を視察され、特に職能訓練や福祉機器の開発について熱心にご覧になられました。幹部職員との意見交換会では、リハビリセンターでの医師の配置について、マレーシアでは障害のある人のための訓練センターを管轄している社会福祉部門が医師の配置を管轄していないため、医師を管轄している別の省に依頼して派遣してもらわなくてはならない等、日本とは異なる組織・運営についての話しも出ました。
 今回の視察は、大阪で行われた「アジア大平洋障害者の十年」の最終年記念フォーラムへの出席とリハビリテーション施設、コミュニティー施設等の訪問の中で当センターにお越しになられたもので、マレーシアの国立リハビリテーション施設(現在は通所訓練のみを行っている)と当センターとの比較もされていました。
 マレーシアでは障害のある人たちのリハビリテーションを施設ベースで行っているのみでなく、特に地方や山間部ではコミュニティーにおいて家族等に対する訓練指導などを行うCBRが広く行われています。日本でもこのCBRの研究においては、マレーシアを対象にして行うことも多く、現地の情報も集まっていることと考えられますが、直接担当大臣が来られて両国の状況について意見交換ができたことは非常に有意義なことでした。



視察団の方々に井上福祉機器開発室長がご説明している様子 視察団の方々に岩谷更生訓練所長がご説明している様子