〔学院情報〕
平成14年度 身体障害者福祉関係職員
実務研修会実施報告
学院事務室



 当センター学院が、昨年12月に開催しました研修会は、義肢装具等適合判定 医師研修会(第52回)、視覚障害者用補装具適合判定医師研修会及び、福祉 機器専門職員研修会です。
 つきましては、視覚障害者用補装具適合判定医師研修会及び福祉機器専門 職員研修会について、当該研修会の担当責任者が、その概要とりまとめました ので、ご紹介いたします。
なお、これらの研修会の日程表は、 別表1別表2及び 別表3のとおりです。 義肢装具等適合判定医師研修会の様子(その1) 義肢装具等適合判定医師研修会の様子(その2)




 
平成14年度視覚障害者用補装具適合判定医師研修会について
病院眼科医長 李 俊哉

 平成14年度「視覚障害者用補装具適合判定医師研修会」が平成14年12月9日 より13日まで開催されました。今年は、北は北海道から南は沖縄まで、定員オーバー となる21人の参加者となりました。開催初日、所沢の12月としては珍しく大雪の日となり、 参加者の交通手段が心配されましたが、一人が遅刻しただけで、21人揃って予定通り スタートができました。参加者の年齢層が20代の若手から、院長を退職された60代の ベテラン医師まで幅広く、和気あいあいとした雰囲気で、また学院スタッフのサポートの もと5日間の研修が無事に終了しました。例年研修会参加者にアンケートを取り、研修会 への要望や改正点を次回にフィードバックさせるよう努めていますが、今回も新しい 試みを企画しました。午後のプログラムは臨床実習を中心とし、時間を多く取りました。 最近のオートマチックな眼科光学器械に甘んじている状況の中で、(古典的となりつつ ある)検影法という簡易であるが確実な屈折矯正検査法の実習や、シミュレーション (視野狭窄等の擬似体験や、学院のオブザベーションルームを利用した、ロービジョン 患者への補装具適応評価のデモンストレーション)による臨床実習が好評でありました。 講義面では事前に教科書の予習個所を指定し、また講師の配慮のもと、講義スライドを テキストにして配布するなど参加者の便宜を図りました。
視覚障害者用補装具適合判定医師研修会 講義の様子  当研修会は眼科医を対象にしたロービジョンの研修会という目的で平成3年より行われ、 今年で12回目を数え、既に研修会修了者が100名以上にのぼり、全国の眼科にロー ビジョンクリニック(LC)が広まっていることに大きく貢献しています。その修了者が中心と なり、平成12年に日本ロービジョン学会が設立されました。年々眼科学会でのロー ビジョンの演題やインストラクションコースに対する関心が高まっており、昨今の新聞・ テレビなどのマスコミによるロービジョンの報道が、ロービジョン患者だけでなく、一般 市民への啓発となり、ロービジョンに対する関心がますます大きくなっていることは 喜ばしいことであります。
視覚障害者用補装具適合判定医師研修会 臨床実習の様子  今後将来、当研修会を発信源に、一人でも多くの眼科医がLCケアの重要性を認識し、 患者の「見えにくい」ために生じる日常生活上の問題を理解し、その解決に関心を持ち、 患者の社会復帰を援助できるようになることを願ってやみません。




 
平成14年度 福祉機器専門職員研修会について
更生訓練所職能部  職能部長 塩出 博司

 平成14年度福祉機器専門職員研修会は、年の暮れが迫った12月16日(月) から18日(水)まで開催されました。この研修会は、平成5年度から始まり今回で ちょうど10回目、本年度を含めこれまでの受講生総数は732名です。
福祉機器専門職員研修会の様子  本研修会は、市町村や身体障害者更生相談所等において、補装具や日常生活 用具の給付に関する相談業務等に従事している職員を主な対象として、制度の概要や 障害と機器の適応、使用方法等についての知識を高めることを目的としています。
 本研修会の内容については概ね好評でしたが、受講生のアンケート結果では 次のような意見が提出されました。
 @「住宅改修」の講義を希望
 Aグループ討議を希望
 B福祉用具を実際に見たい
 @の住宅改修は、平成11年度に開催期間を5日間から3日間としたときにやむなく 外しましたが、住宅改修は福祉用具と密接な関係があり、介護保険や公的給付制度の 対象となっていること等から重要なテーマであるため、これを復活させたいと考えます。
 Aについては、テーマ選びやスタッフの調整等難しい点がありますが、何とか工夫を して組み込むことができればと思っています。
 Bについては、今回、視覚障害者のための用具や車いすなどは実物を持ち込んで 行ったことから良い評価を受けました。
 本研修会は、ほかに基礎編と応用編の必要性、民間研修機関との関係等の課題が ありますが、今後も引き続き研修会の内容の充実を図っていきたいと思います。 ご協力いただいた講師の先生方に厚く御礼申し上げます。




(別表1)
平成14年度 義肢装具等適合判定医師研修会(第52回)日程表

月日 午前 午後
12月
2日
(月)
 
開講式・オリエンテーション
(13:00-13:30)
医師にとっての適合判定
(13:30-15:00)
 慶應義塾大学
 月が瀬リハビリテーションセンター所長
木村 彰男
 
補装具の支給システム
(15:15-16:45)
 横浜市総合リハビリテーションセンター長
伊藤 利之
12月
3日
(火)
意見書・処方箋の書き方
(9:00-10:30)
 北海道立心身障害者総合相談所所長
佐々木 鉄人
 
運動学
(10:45-12:15)
 東北文化学園大学医療福祉学部
リハビリテーション学科 教授 中村 隆一
上肢切断・義手(講義・実習)
(13:30-17:00)
 岡山理科大学工学部教授
中島 咲哉
国立身体障害者リハビリテーションセンター
研究所主任義肢装具士 高橋 功次
12月
4日
(水)
上肢装具
(9:00-10:30)
 京都府立医科大学名誉教授
 明治鍼灸大学大学院教授
平澤 泰介
 
靴型装具
(10:45-12:15)
 北里大学医療衛生学部教授
加倉井周一
下肢切断・義足(講義・実習)
(13:30-17:00)
 兵庫県立総合リハビリテーションセンター
中央病院医長 陳 隆明
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
研究所義肢装具士 山崎 伸也
12月
5日
(木)
下肢装具(講義・実習)
(9:00-12:15)
 東北大学医学部助教授
飛松 好子
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
学院主任教官 高嶋 孝倫
学院主任教官 大石 暁一
体幹装具
(13:30-15:00)
 帝京大学医学部リハビリテーション科教授
三上 真弘
 
姿勢保持装置・椅子
(15:15-16:45)
 横浜市障害者更生相談所所長
小池 純子
12月
6日
(金)
車椅子(講義・実習)
(9:00-12:00)
 兵庫県立身体障害者更生相談所所長
高田 正三
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
病院副理学療法士長 岩崎 洋
材料学
(13:00-14:30)
国立身体障害者リハビリテーションセンター
 研究所運動機能系障害研究部長
赤居 正美
 
閉講式
(14:30-15:00)



(別表2)
平成14年度 視覚障害者用補装具適合判定医師研修会日程表

月日 午前 午後
12月
9日
(月)
 
開講式
(13:00-13:20)
@総論・ロービジョンクリニック(LVC)
(13:30-14:20)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 簗島 謙次
A臨床実習T
(14:30-17:00)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 簗島 謙次
李   俊哉
菅野 和子他
12月
10日
(火)
B視機能検査
(9:00-10:30)
 東邦大学佐倉病院眼科
山本 修一
C福祉的サービスの活用
(10:40-12:10)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 中西 勉
D光学的補装具および日常生活用具T(講義)
(13:00-15:20)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 簗島 謙次
E光学的補装具および日常生活用具U(講義)
(15:30-17:00)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 李   俊哉
12月
11日
(水)
F応用光学
(9:00-11:00)
 奈良県立医大眼科
西信 元嗣
G視覚障害者のカウンセリング
(11:10-12:10)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 中西 勉
H臨床実習U・V
(13:00-17:00)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 簗島 謙次
李   俊哉
菅野 和子他
12月
12日
(木)
I高齢者の障害受容
(9:00-10:30)
 琵琶湖病院精神科
藤田 保
J視覚障害者の遺伝相談
(10:40-12:10)
順天堂大学眼科 早川むつ子
K臨床実習W
(13:00-14:20)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 簗島 謙次
李   俊哉
菅野 和子他
L基礎光学
(14:30-17:00)
かわばた眼科 川端 秀仁
12月
13日
(金)
M視覚障害児の教育
(9:00-10:30)
筑波大学付属盲学校 雷坂 浩之
N視覚障害者の生活訓練
(10:40-12:10)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
第三機能回復訓練部 中西 勉
 
閉講式
(12:10-12:30)
国立身体障害者リハビリテーションセンター見学
(13:00-14:20)



(別表3)
平成14年度 福祉機器専門職員研修会日程表

月日 午前 午後
12月
16日
(月)
開講式・オリエンテーション
(10:00-10:40)
 (センター紹介ビデオ)
 
@福祉機器関連制度の概要
(10:45-12:15)
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
福祉機器専門官 赤坂 浩
A身体障害者と福祉機器
(13:20-14:20)
 国際医療福祉大学
初山 泰弘
 
B身体障害者が使用する自動車
(14:30-15:30)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
更生訓練所職能部 並木 勉
 
C障害者に対する福祉用具
(15:45-17:15)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
更生訓練所指導部 中西 勉
12月
17日
(火)
D言語障害関連の福祉用具
(9:00-10:30)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
学院 非常勤講師 関  育子
 
E補聴器と聴覚障害者に対する福祉用具
(10:45-12:15)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
病院第二機能回復訓練部 立石 恒雄
センター見学
(13:15-13:50)
 
F義肢・装具・座位保持装置
(14:00-15:30)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
研究所補装具製作部 高橋 功次
 
G移動用リフト
(15:45-17:15)
 福祉技術研究所
市川 洌
12月
18日
(水)
H杖・歩行器
(9:00-10:30)
 東北文化学園大学医療福祉学部
川井 伸夫
 
I自助具
(10:45-12:15)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
病院第一機能回復訓練部 井上 美紀
J車いす(手動・電動車いす)
(13:50-15:00)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
研究所福祉機器開発部 井上 剛伸
 
閉講式
(15:00-15:15)