平成15年度 靴型装具専門職員研修会(応用)を終えて
学院事務室
執筆:学院 義肢装具学科 教官 根岸 和諭



 去る8月25日(月)〜29日(金)の5日間、義肢装具士養成棟 において「靴型装具専門職員研修会(応用)」が開催されました ので報告いたします。
 この研修会は靴型装具の製作・適合業務に従事している義肢 装具士を対象として平成6年度より開催され、今回で9年目に なります。第1回からの受講生は延べ110名と非常に需要の高い 研修会で、今回も10名が参加しました。
 受講者は経験年数1年程度のいわゆる「新人」から20年の 「ベテラン」まで幅広く参加し、なかでも経験年数10年程度の 受講生が多数参加しました。所属に関しては、公的機関からの 1名を除いてはすべてが民間の義肢装具製作施設の職員で、 このことは靴型装具に対する「臨床の現場」での必要性の高さを 示していました。
 本研修会の特徴は、従来から行われている日本式の製作方法 ではなく、ヨーロッパの先進的な技術を導入するため、講師の 1人にドイツのオーソペディックシューマイスターの資格を 持つEduard Herbst氏を迎えて行われています。今回の研修内容 は昨年行われた基礎コースの「フットベッド(足底板)」の製作 をふまえ、実際の靴の製作(製甲・吊り込み・底付け・仕上げ) を行うというものでした。
 各受講生とも日々の業務に直結している内容のため、講義内容 を一つ残らず吸収しようという態度が感じられ、またマイスター の技術を間近で見ることのできるまたとない機会ということから、 その眼にも真剣さの感じられるものでした。
 今回の研修会で得られた知識・技術を活用し、実際の患者さん のニーズを満たす、より良い靴型装具の製作がなされることを 願って報告を終わります。


靴型装具専門職員研修会(応用)の様子1 靴型装具専門職員研修会(応用)の様子2



(別表)
平成15年度 靴型装具専門職員研修会(応用)日程表

日付 午前 午後
8月
25日
(月)
開講式・オリエンテーション
(10:00・10:15)
講義 欧州の靴型装具採型法
(10:15-12:15)
 -デモンストレーション-
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
川村義肢株式会社 真殿 浩之
講義・実技 フットベッドの概念と製作技術
(13:00-18:00)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
川村義肢株式会社 真殿 浩之
26日
(火)
講義・実技
 靴型装具デザインとカッティングパターン
(9:00-12:00)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
川村義肢株式会社 真殿 浩之
講義・実技 製甲技術
製作実習
(13:00-18:00)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
川村義肢株式会社 真殿 浩之
27日
(水)
講義・実技 靴型装具製靴法 T
 -靴の部品と吊り込み-
(9:00-12:00)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
神戸医療福祉専門学校 只野 一
実技 靴型装具製靴法 T
(13:00-18:00)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
川村義肢株式会社 只野 一
28日
(木)
講義・実技 靴型装具製靴法 U
 -細革の種類と取り付け-
(9:00-12:00)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
神戸医療福祉専門学校 只野 一
実技 靴型装具製靴法 V
 -底付-
(13:00-18:00)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
川村義肢株式会社 只野 一
29日
(金)
講義・実習 仕上げ行程
(9:00-11:00)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
講義 靴型装具材料学
(11:15-12:00)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
有薗 裕樹
講義・実習 靴型装具適合学
 -デモンストレーション-
(13:00-14:30)
神戸医療福祉専門学校 Eduard Herbst
 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
高嶋 孝倫
閉講式
(14:30)