〔学院情報〕 |
言語聴覚学科紹介 |
学 院 |
<歴史と概要>
1971年、旧国立聴力言語障害センターに日本最初の言語聴覚士
の養成所が開設されました。それが本学科の前身となる「聴能
言語専門職員養成課程」です。1997年、念願の国家資格が制定され、
晴れて「言語聴覚士」という名称が与えられました。
翌年「言語聴覚士養成校」第1号として国の認定を受け、1999年
には「言語聴覚学科」に学科名が変更され、現在に到っています。
本学科は4年制大学卒2年制課程(1学年定員30名)で、卒業
すると言語聴覚士の国家試験受験資格を取得できます。
<言語聴覚士とは>
言語聴覚士の仕事は、聴覚障害、ことばの遅れ、声や発音の障害、
失語症やその他高次脳機能障害、摂食・嚥下障害をもつ方々や
そのご家族に対し、医師をはじめとするリハ専門職と連携して
その問題を体系的に評価し、それぞれの障害に応じた訓練や指導、
援助を行うことです。対象年齢も乳児から高齢者まで、職域も医療、
保健、福祉、教育と幅広く、一般的には「コミュニケーション機能
の回復や援助を行う専門職」と言われます。
今年で5回目の国家試験が実施され、7,767名の言語聴覚士が
誕生しています。
高齢化の進展並びに新生児・乳児期での障害の発見、人工内耳
や拡大代替コミュニケーション機器など新たな技術の導入により
言語聴覚士への社会的要請は益々拡大しています。それに伴い
多種多様なニーズに対応できる高度な専門性を備えた人材が
求められています。
<教育の内容>
カリキュラムは医学、心理学、言語学、音声学、音響学、
社会学などの専門基礎科目と専門科目からなっています。
専門科目は言語聴覚障害総論や言語聴覚障害診断学のほか、
失語・高次脳機能障害系、言語発達障害系、発声発語・嚥下
障害系、聴覚障害系からなり、臨床実習、臨床研究論文作成
を加えるとカリキュラムの総時間数は、2年間で約2400時間
になります。言語聴覚士は「コミュニケーション」という
人間存在の根幹に関わる専門家です。そのため専門的な知識
や技術の習得もさることながら、豊かな共感力、人間への
深い洞察力、そして表現力などの基本的なコミュニケーション
能力を高めることにも力を注いでいます。
<卒業後の進路>
卒業生は、病院、福祉施設、リハビリテーションセンター
などにおいて臨床家として活躍する一方、研究業績も高い
評価を受けています。また大学や専門学校の教職スタッフに
迎えられる人も多く、言語聴覚士養成の指導的役割を期待
されています。
国家試験の合格率、卒業時就職率はほぼ100%で、902名の
全卒業生の就業率も80%程度を維持しています。