〔学院情報〕
平成15年度リハビリテーション
心理職研修会(応用)を終えて
学院事務室
執筆:更生訓練所相談判定課 主任心理判定専門職  小熊 順子



 去る9月1日(月)から5日(金)の5日間、当センターに おいて、平成15年度リハビリテーション心理職研修会(応用) を開催し、終了しましたのでご報告いたします。
 本研修会は、冷夏が過ぎて秋風が吹きはじめる9月に北は 北海道から南は宮崎県に及ぶ都道県から、受講定員の1.7倍で ある33名のご参加をいただきました。参加者の所属別では、 更生相談所が過半数の16名、施設が7名、病院が4名、その他 が6名でした。この中で本年5月及びこれまでの本研修会・ 基礎に参加されている方は12名で全体の36%でした。
 今回の研修日程は別表をご参照ください。
 プログラムについて、心理リハビリテーションの手法の1つ で動作法の実技体験を組み入れた実技と座学との組み合わせが 良かったこと、心理職員に期待されていること及び心理職員から 他職種へ積極的に伝えていくことの大切さを肌で感じることが できたこと等の感想をいただいております。
 また、リハビリテーション心理の実践と展開−グループ討議− では、今年4月から支援費制度へ切り替わって半年を経過し、 業務の実態が見えてきたところで予め、実務の現状についての レポートと参考資料を提出していただき、全員に配布し周知の 上で更生相談所、施設、病院の3グループに分かれて討議を行い、 その後全体討議を行い情報交換をいたしましたところ、「各県 の業務の実状、また、模索状況などがよく理解できて参考に なることがいろいろあり、支援費制度以降の更生相談所の あり方を考えさせられるよいきっかけとなった。」「支援費 制度導入に伴い判定依頼のあがってきた更生相談所のケース を紹介していただきたい。」「三障害の施策の統合が言われ ていて総合的なセンターになりつつあるところも多いと思い ますが、知的、身障と障害種別をこえて関わることによって 心理として見えてくるところ、おろそかにされかねないところ などが明らかになっていけばと思います。」等の感想やご意見を いただいております。
 今後取り上げて欲しいテーマとしては「支援困難な事例」 「地域支援を行う際の心理職の役割」「情報開示請求、個別 支援計画、インフォームドコンセントで心理として気をつける べき視点で、−心理と法律について−」等が挙げられ、さらに 心理職として横のつながりが増えるような研修を望まれている 方もおられました。
 以上の受講生の声を大切にしながら次年度へ向けていき たいと考えております。
 受講生の皆様方が今回の研修会で得られた情報をそれぞれ の現場において大いに活用していただき、益々ご活躍されます よう祈念しております。


リハビリテーション心理職研修会(応用)講義の様子 リハビリテーション心理職研修会(応用)実技の様子



(別表)
平成15年度 リハビリテーション心理職研修会(応用)日程表

日付 午前 午後
9月
1日
(月)
開講式・オリエンテーション
(10:00-10:30)
1心理士の役割に期待すること
(10:40-12:00)
国立身体障害者リハビリテーションセンター
総長 佐藤 コ太郎
国リハ見学
(13:00-14:20)
2障害者福祉の動向
 −地域支援を中心に−
(14:30-16:00)
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
障害福祉専門官 小田島 明
2日
(火)
3ウェクスラー式検査の動向
(9:00-10:30)
筑波大学心身障害学系 教授 前川 久男
4リハビリテーションにおける精神機能評価
−治療的アプローチ−
(10:40-12:00)
国立身体障害者リハビリテーションセンター
精神科医長 浦上 裕子
5神経心理学的評価と認知的アプローチ
(13:00-16:00)
九州ルーテル学院大学人文学部
心理臨床学科教授  中島 恵子
3日
(水)
6リハビリテーションにおける心理的支援T
(9:00-12:00)
 ア. 肢体不自由
  −動作法を通して−
青山学院大学文学部
心理学科教授  丸山 千秋
7リハビリテーションにおける心理的支援U
 イ. 視覚障害
(13:00-14:30)
佐野短期大学社会福祉学科
教授    日比野 清
 ウ. 聴覚障害
(14:40-16:00)
琵琶湖病院 心理士 古賀 恵理子
4日
(木)
8職リハ見学
(9:00-10:20)
9業評価と職業支援
(10:30-12:00)
障害者職業総合センター
研究員  依田 隆男
10症例を通してみるリハビリテーション
(13:00-14:30)
前 国立身体障害者リハビリテーションセンター
診療部長  長岡 正範
11リハビリテーションにおける心理的支援V
(14:40-16:00)
国立身体障害者リハビリテーションセンター
主任心理判定専門職  小熊 順子
5日
(金)
12リハビリテーション心理の実践と展開
 −グループ討議−
(9:00-12:00)
国立身体障害者リハビリテーションセンター
主任心理判定専門職  小熊 順子
討議進行
 国立身体障害者リハビリテーションセンター
主任心理判定専門職 四ノ宮 美恵子
心理判定専門職 菅野 博也
心理判定専門職 生村 浩史
13神経心理学概論
(13:00-15:00)
神戸学院大学 人文学部 教授 山鳥 重
閉講式
(15:00-15:30)