〔更生訓練所情報〕 |
身体障害者リハビリテーション研究集会2003の開催について |
身体障害者リハビリテーション研究集会2003事務局(指導課) |
去る10月9日(木)、10日(金)の2日間、「身体障害者リハ
ビリテーション研究集会2003」が鹿児島市(鹿児島県市町村
自治会館)において開催されました。この研究集会は、全国
身体障害者更生施設長会、全国身体障害者更生相談所長協議会
及び国立身体障害者リハビリテーションセンターが主催し、開催
地である鹿児島県等の御後援をいただいて実施したものです。
なお開催事務局は鹿児島県の「ハートピアかごしま(身体障害者
自立支援センター・身体障害者更生相談所)」が担当し、準備と
運営に多大の御尽力をいただきました。
また、更生相談所職員は本研究集会への参加により、今年度
より国立身体障害者リハビリテーションセンターが主催する
「身体障害者更生相談所長等研修会」の受講となることから、
それにふさわしいカリキュラムの構成を心がけました。
開催当日は、南国らしく汗ばむほどの暖かい気候に恵まれた中、
全国の身体障害者更生施設、更生相談所の職員約200名が参加して
日頃の実践や研究の内容について活発な発表と討議が行われまし
た。
1 基調報告
山内指導部長から基調報告として、平成15年度から実施されて
いる支援費制度の基本的仕組み、支援費制度施行状況の調査結果、
市町村障害者生活支援事業等の実施状況調査結果、支援費制度
移行後の状況と課題について報告されました。
2 特別講演
基調報告に続いて、鹿児島国際大学の戸口田三千尋教授による
「障害者基本計画とこれからの福祉のあり方」と題した特別講演
がありました。障害者基本計画を中心に福祉制度に関する広範
なお話と種々の提言がなされました。
午後は、和洋女子大学の坂本洋一教授より「これからの更生
相談所の役割」について主に更生相談所の職員を対象に御講演
を頂き、昨年度まで厚生労働省の障害福祉専門官として実際の
制度施策策定に携わってこられたご経験を踏まえ、今後の課題
と施策目標等についての説明と提言等がなされました。
3 研究発表
研究発表テーマは次の5課題で、32題の発表がありました。
T「更生施設・更生相談所における業務のあり方」4題
U「利用者のニーズに応えるために」6題
V「地域リハビリテーションを推進するために」2題
W「重度・重複障害者のニーズに応えるために」2題
X「障害者の自立と社会参加を支援するために」17題
Y「支援費制度の諸問題について」1題
全国各地で行われている様々な実践・研究結果の報告があり、
国リハからは更生訓練所職員2題の発表がありました。
4 シンポジウム
10日は「支援費制度の現状と課題」と題するシンポジウムを
開催しました。国を代表して厚生労働省社会・援護局障害保健
福祉部企画課障害福祉専門官の石渡博幸氏、都道府県を代表して
鹿児島県保健福祉部障害福祉課長の矢崎正人氏、市町村を代表
して北九州市小倉北区役所保健福祉課相談係(理学療法士)の
日並陽子氏、更生施設を代表して山梨県立あけぼの医療福祉
センター所長の佐藤英貴氏、更生相談所を代表して福岡県障害者
更生相談所長の牧洋子氏、さらに学識経験者として和洋女子大学
教授の坂本洋一氏の6名をシンポジストに、鹿児島国際大学教授
の高木邦明氏をコーディネイターにお迎えしました。
各シンポジストからそれぞれの立場で、支援費制度施行後半年
間における状況や今後の課題等について報告と提言がなされた後、
限られた時間のなか高木教授のポイントをよく整理したコーディ
ネートにより施設や更生相談所の現場における課題とそれに
対する国をはじめ行政側の今後の対応、今後の取り組み方針等々
について意見交換や討議が行われました。質疑応答では会場から
も多くの発言があり活発な討議に会場は熱気に包まれていました。
最後に、この紙面をお借りして、お忙しい中ご講演を頂いた
先生方、研究発表をして頂いた方々に厚く御礼申し上げます。
また、開催事務局である鹿児島県「ハートピアかごしま」の峯埼洋
所長はじめ、関係職員の皆様には1年以上にわたる準備から当日の
運営まで多大な御尽力を賜り、成功裡に実施することができました。
なお、来年度は東京都で10月頃に開催する予定です。多くの方々の
御参加をお待ちしております。