〔学院情報〕
平成15年度 盲ろう者通訳ガイドヘルパー
指導者研修会(後期)を終えて
学院事務室
執筆:研修担当責任者 学院視覚障害学科 教官 松崎 純子



 11月17日(月)から21日(金)の5日間、「盲ろう者通訳ガイド ヘルパー指導者研修会(後期)」を開催しましたので、ご報告 いたします。
 受講生は6月の前期研修会で盲ろうに関する理論を学び、その 後個々のコミュニケーション技能を習熟させ、後期の研修会を 迎えました。受講生は既にお互いの顔を知っているので、再会の あいさつや後期研修への期待感が溢れる暖かい雰囲気の中で、 研修会が始まりました。
 後期の日程は別表のとおり、講義に加えて 通訳ガイドヘルパー技術の実技・実習を中心として構成いたして おります。
 受講生からのアンケートによると、プログラムについては、 実技・実習の科目が多く有意義で内容の濃い研修会であったと いう感想を多くいただきました。ことに木曜日の実習では、 盲ろうの講師を様々な場所に案内しながら通訳とガイドヘルプを 行い、その中で、階段や電車乗降、買い物などの場面場面で、 手引きの技術や通訳して欲しい内容などについて、講師からの 具体的で丁寧な助言・指導がありました。その場で直接受けら れる指導はすぐに現場で活用でき、受講生にとって例年収穫が 大きなものとなっております。あいにく当日は冷たい小雨の降る 中での実習ではありましたが、貴重な実地研修の一日となりました。
 今後取り上げて欲しいテーマとしては、「盲ろう者の心理」や 「盲ろう者のリハビリテーション・生活支援」が挙げられました。 また、受講生は盲ろう障害あるいは視覚障害や聴覚障害に係わっ てきた経験が異なり、これから係わろうとする方からまた、地域 や職場で日々盲ろう者と接している方までが受講されました。 そのため、盲ろう者を直接支援している受講生からは地域の 指導者として「通訳ガイドヘルパーの養成や養成講座のカリキュ ラムについて」テーマとして学びたいという希望もありました。 研修会の内容は、多くの研修生におおむね好評でしたが、当研修会 は今年度で7回目を数え、受講生の経験にも幅が生まれ、それに よって期待が異なってきているように感じられました。
 最後に学院では、次年度に向け、更に当センターが担っていく 将来の役割を追求しながら、より質の高い本研修会を実施して いきたいと考えております。
 また、受講生の方々におかれましては、研修の内容と研修を 通じてできた輪を多いに役立て、地域でよりよい支援者として、 ますますご活躍されることを祈念いたします。

盲ろう者通訳ガイドヘルパー指導者研修会(後期)の様子




(別表)
平成15年度 盲ろう者通訳ガイドヘルパー指導者研修会日程表(後期)

月日 午前 午後
11月
17日
(月)
受付
(9:30-)
オリエンテーション
(10:00-10:30)
1.「疑似体験による盲ろうの手引き歩行」
(10:30-17:00)
 東京盲ろう者友の会
矢田 礼人
 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
視覚障害学科 主任教官  小林   章
視覚障害学科 教官     松崎 純子
視覚障害学科 教官     佐藤 哲司
18日
(火)
2.「通訳ガイドの技法」
(9:00-12:00)
 東京盲ろう者友の会
矢田 礼人
3.「実技講習1」
(13:00-17:00)
 東京盲ろう者友の会
矢田 礼人
 視聴覚二重障害者福祉センター すまいる
門川紳一郎
勢理客友子
田幸 勇二
藤鹿 一之
 ベーチェット協会 江南施設
村岡 寿幸
渡井 秀匡
19日
(水)
4.「盲ろう者と日常生活、盲ろう者と情報補償」
(9:00-12:00)
 視聴覚二重障害者福祉センター すまいる
門川紳一郎
 ベーチェット協会 江南施設
村岡 寿幸
5.「実技講習2」
(13:00-17:00)
 東京盲ろう者友の会
矢田 礼人
 視聴覚二重障害者福祉センター すまいる
門川紳一郎
勢理客友子
田幸 勇二
藤鹿 一之
 ベーチェット協会 江南施設
村岡 寿幸
渡井 秀匡
20日
(木)
6.「実習」
(9:00-17:00)
 コミュニケーション・通訳ガイド実習
 (二人一組程度で盲ろう者の通訳ガイド実習を行う)
 東京盲ろう者友の会
矢田 礼人
 視聴覚二重障害者福祉センター すまいる
門川紳一郎
田幸 勇二
藤鹿 一之
 ベーチェット協会 江南施設
村岡 寿幸
渡井 秀匡
21日
(金)
7.「実習の反省」
(9:00-11:00)
8.「まとめ」
(11:00-12:00)
 東京盲ろう者友の会
矢田 礼人
 視聴覚二重障害者福祉センター すまいる
門川紳一郎
閉講式
(12:00-12:15)