〔野鳥シリーズ38〕
リハセンターに飛来する野鳥を友に
東京都福祉事業協会 母子生活支援施設
スタルト方南 見原捷三(元理療教育部長)


スズメ(雀)
 野鳥に興味も関心もない方でも、スズメを知らない人はいないくらい、人間社会と 結び付きが極めて強く、人里近くで全国的に繁殖していますが、何故か小笠原諸島だけ にはいません。
 面白いことに、人が住むようになると、どこからともなくスズメがやって来て棲みつき、 反対に廃墟と化し人が住まなくなるとスズメもいつの間にか、居なくなるそうです。
 これほど人間生活と密接な関係にありながら、人に対する警戒心が強い鳥は、他には 居ません。私が野鳥を撮影している際、こちらがじっとして、レンズを向けていると野鳥 の中には、やがて警戒心も解けて、すぐ近くまで寄ってくることがありますが、スズメは 例えブラインドの中に居ても人の気配を察知して、なかなか近づきません。
 これは、スズメが人間に傷めつけられたその歴史が、遺伝因子に「人間は、怖い者だ。」 と刷り込まれているのではないでしょうか。
 さて、スズメは繁殖期になると番で生活し、人家の屋根や壁の隙間などに営巣、産卵期 は、2月から9月、卵は4から8個、約2週間で巣立ちます。縄張りは巣の周辺に限られ ますが、非繁殖期になると若鳥は群れを作り、夜は竹薮や大木などをねぐらにします。
 かつて、竹薮のねぐらに入ったところに綱を張り、一網打尽にして捕らえていたよう ですが、あるいは今でも稲を食う害鳥として、被害に遭っているかも知れません。
 ところで、スズメの種類で、この他にニュウナイスズメという種がいます。見分け方は、 スズメのように頬に黒斑がなく雌雄で色が違います。
 繁殖場所は、スズメの居ない人里離れた所で繁殖し、完全に棲み別けしています。
 私は、数年前に日光の戦場ヶ原で、観察したことがあります。



スズメ(雀)