〔学院情報〕 |
平成16年度靴型装具専門職員研修会を終えて |
執筆:学院 義肢装具学科 教官 有薗裕樹 |
去る8月23日(月)〜27日(金)の5日間、義肢装具士養成棟において「靴型装具
専門職員研修会(基礎:採型・適合コース)」が開催されました。
この研修会は、主に日々の業務で実際に靴型装具の製作・適合に従事している
義肢装具士を対象として行われています。
今回、北は青森県から南は長崎県まで全国11名の義肢装具士が集まり、その中でも
今年は比較的経験年数の浅い人が多く、就職して3年以内の研修生が7名受講しました。
そのためか靴型装具に関して日常の業務の中で疑問に思っていることも多く、研修期間
中にできる限りの知識と技術を吸収しようとする姿勢が伺えました。
本研修会は日本の従来の靴型装具の製作方式ではなく、足のバイオメカニカルな
構造に基づいたヨーロッパの先進的な技術を導入するため、実技講師の1人にドイツの
オーソペディックシューマイスターの資格を持つEduard Herbst氏を迎えて行われています。
研修内容としては主に、(1)足の採寸・採型、(2)木型(足のモデル)の製作・修正、
(3)フットベッド(足底板)・チェックシューズの製作、(4)チェックシューズの適合と、
実技が中心となっており研修期間の大半を占めています。そのため今回も実技を行って
いく中で講師・受講者との間で交流が深まっていき、実習中でも非常に質疑応答しやすい
状況となっていました。
また、講義では靴のデザインについても触れ、その中で靴型装具の機能性・適合性
のみにとらわれがちであるが、外観にも配慮したトータルデザインを考えるべきである
とのお話もありました。それはつまり治療的な要素とファッション性を兼ね備えた
靴型装具を製作することによって、ユーザーに満足して快く履いてもらえることに
繋がることであり、重要な要素の1つであると研修生も感じていたように思われました。
平成6年度から開催されたこの研修会も10年を経過し、今回の研修生11名を含め
延べ114名の研修生が受講しております。そのため研修会修了者同士のネットワーク
も深まりつつあるようで、病院で初めて遭遇する症例に対して困ったときなどに連絡
をとりあい、製作方法について相談している場合も多くみられるようです。
最後に、研修会にご尽力いただいた講師・関係職員の皆様方に、この場をお借りして
厚く御礼申し上げます。
平成16年度 靴型装具専門職員研修会(基礎)日程表 |
日付 | 午前 | 午後 | ||||||||||||||||||||
8月 23日 (月) |
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8月 24日 (火) |
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8月 25日 (水) |
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8月 26日 (木) |
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8月 27日 (金) |
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