〔研究所情報〕 |
第31回国際福祉機器展(H.C.R.2004)出展報告 |
研究所 障害工学研究部 中山 剛 |
平成16年10月13日(水)〜15日(金)の日程で、東京国際展示場「東京ビッグサイト」の
東展示棟全ホールで第31回国際福祉機器展が開催されました。初日(13日)の午前中は多少の雨が
残っておりましたが、その他の日程は天候に恵まれました。3日間で13万8726人の入場者が
国際福祉機器展を訪れたことになり、前年の平成15年度を若干上回った入場者数となりました。
一方、出展社側も国内外14ヵ国1地域から645社・団体の参加があり、25,000点にものぼる
福祉機器が展示されるなど、大変盛況な展示会となりました。
研究所では第22回国際福祉機器展から今年で10年間、連続して出展したこととなりました。
今年の研究所のブース(小間)は東3ホールの小間番号3-002であり、昨年に引き続き3小間で
出展致しました。3小間の広さがあるためスペースに余裕ができ、車いすの参加者もブースの
奥まで楽々と入られ、展示物に直に触れて頂くことができました。また、配布パンフレットの
デザインとブースでの機材等の配置には、専門の方からアドバイスを得ました。
お陰で両者とも好評で、ブースを訪れた方々から「綺麗なパンフレットだね」「見やすくなった」
等のお褒めのお言葉を頂きました。研究所ブースを訪れる人数も多く、デモンストレーションの
際には人山になっていたほどでした。実際、用意していたセンターパンフレット「ごあんない」
が900部では不足し、追加しなければならなかった程でした。また、国際福祉機器展用に作成した
配布用パンフレットは日本語版と英語版あわせて4,000部以上を配布し、用意した900部の
研究所パンフレットも全て配布致しました。加えて、展示した2つの機器に関するパネル以外にも
センターと研究所の概要を記載したパネルを1枚展示しました。以上、センターとしても研究所
にとっても、大変有効なアピールの場となったと考えます。
なお、今年の出展テーマは「認知・知的障害のある人のための社会参加支援ツール」でした。
具体的には、
(1)認知障害者を支援するPDA用ソフトウェア「メモリアシスト」
(2)マルチメディア図書デイジー(DAISY)
の展示やデモンストレーションを行いました。レンタルで用意した2台のプラズマディスプレイ上に
「認知障害者を支援するPDA用ソフトウェア」のPDA画面とマルチメディア図書デイジーの
デモンストレーション画面を表示致しました。認知・知的障害者のご本人あるいはご家族の方々、
リハビリテーションセンターや病院関係者、福祉団体関係者、行政関係者等々もブースに参られ、
熱心に説明に耳を傾け、質問もなさっておられました。テーマが斬新だったことが原因かは
分かりませんが、特に今年は長時間に渡り、質問をなさっていた方が多かった印象があります。
そのため、説明に当たったメンバーにとっては疲労度の高い状況ではありましたが、大きな
やりがいを感じた3日間でもございました。
このように研究所の業務やセンターの概要のみならず、研究所の成果に関してもご来場頂いた
方々にご理解頂けたのではないかと思います。
福祉機器展全体としては、昨年に引き続いて介護保険関係のブースが多く出展されていた印象が
あります。一方で海外からの製品に目新しさがなかったことが少々残念でした。
しかし、並列して開催された国際シンポジウム「英国の医療・福祉制度の歩みと展望=
ベバレッジ報告から60年、今後の方向とは」への参加者は約700名、特別セミナー
「福祉機器 選び方使い方」の二日目(14日)には延べ1,200名の参加者が集うなど、
全般的には大変な賑わいだった模様です。
なお、来年の国際福祉機器展(H.C.R.2005)は平成17年9月27日(火)〜29日(木)の3日間、
今年と同じ会場(東京ビッグサイト東ホール)で開催の予定です。