〔更生訓練所情報〕 |
国立身体障害者リハビリテーションセンター創立25周年記念シンポジウム 「共生社会における障害のある人の自立生活・就労支援」 開催のお知らせ |
更生訓練所 指導部長 |
更生訓練所では、センター創立25周年を記念し「共生社会における障害のある人の自立生活・
就労支援」と題して、シンポジウムを開催するはこびとなりました。近年、障害のある人々の
支援制度は大きく見直されています。
平成14年12月24日に閣議決定された新障害者基本計画では「障害の有無にかかわらず、
国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会」の実現を目指しております。
障害のある人びとの権利として自立生活と就労、社会参加が進められる一方で、高齢社会における
財政の限界から社会保障制度のあり方が見直されています。障害者福祉に関わる我々は、
制度の構造改革を進めつつ、共生社会の実現に向かうという難しい課題に直面しております。
自立とは、当事者が消費者として成熟し、生活能力を高め、自己決定により社会資源を
賢く活用して生活を営み、地域社会に参加することでありましょう。就労は社会参加の重要な
要素であり、当事者がその人らしい就労を達成するためには、労働能力を高めると共に生活、
労働並びに雇用の環境を整備するための当事者、支援提供者、地域、職場の歩み寄りと協調が
不可欠であります。
能力をどこまで高められるか、どのような能力があるのか、どのような補償(支援)が
必要なのかという課題を解決するとともに、そのような能力の人が生活し、労働するための
環境をどのように整えるかという課題の解決が求められるでしょう。すなわち、訓練サービス提供、
生活環境、労働環境整備を有機的に進める支援体制を構築することが必要でしょう。
当センター更生訓練所は、障害のある人々の生活能力、職業技能の開拓を行ってきました。
しかし、社会が大きく変化していく中で、時代の要請、当事者のニーズを的確にとらえ、
支援サービス提供体制を更新していかなければ、国の施設として存在理由を問われるでありましょう。
これからの更生施設の役割として、当事者が地域と職場という環境のなかで、自分らしく
生きていくための技能の修得を支援し、当事者と地域、職場との間の調整サービスを
提供することを提案したいと思います。
このシンポジウムでは、更生施設の活動場所を当事者と地域、職場との間に求め、
共生社会を築くために、更生施設に求められるものは何か、なにが出来るか、現状に
どのように働きかけるかなどのディスカッションを通して、更生施設のこれからの姿を
描きたいと思います。
是非、多くの皆さんのご参加をお待ちしております。
記 1 日 時 平成17年2月5日(土曜日) 9:45 〜 16:30 2 場 所 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院講堂 3 内 容 (1)障害と自立生活、就労に関する動向 (2)施設のこれまでの実績と直面する問題 (3)これからの支援体制の方向(パネルディスカッション)