〔ワンポイントマッサージシリーズ1〕
〜 東洋の経験と知識を活かして
健やかな毎日を 〜
理療教育部 主任教官  柳澤 春樹



 ストレスフルな現代社会を生き抜いている私達の周囲には、心身 の不調を訴えている方々が増えている。そこでこのシリーズではそ れらの苦痛を少しでも軽減していただけるように、自分自身で簡単 に行えるマッサージを中心に紹介していく。忙しい職場や家事の合 間に試していただき、少しでも快適な毎日を送っていただければ幸 いである。
 専門的にはマッサージと按摩、指圧とはそれぞれ異なるものであ るが、一般的には、つらいところに手を当て、撫で擦る(軽擦法)、 押す(圧迫法)、揉む(揉捏法)、叩く(叩打法)、動かす(運動 法)などを行う手技療法を総称して「マッサージ」と呼んでいるこ とが多い。そこで、このシリーズもあえて「ワンポイントマッサー ジ」とすることにした。
 慢性的な症状を軽快させるにしても、やみくもに刺激すればいい わけではなく、最も効果的な部位に効果的な手技を用いる必要があ る。東洋の長い歴史と伝統のもとに伝えられている「ツボ」(経穴) を利用するのもその一つである。
 日常的によく遭遇する症状を毎回一回ずつ取り上げ、わかりやす いイラストとともに紹介していくこととする。



1 目の疲れ
  コンピュータ、車の運転など目は酷使されている。「目がチカ チカする」、「頭が痛い」、「目の奥に鈍痛がある」など様々な症 状を持つ人が多いので今回はまず目の疲れを取り上げる


1. 左右の眉の間の中間を鼻の付け根から人差し指でゆっくりと「1、2、3、4、5」とこすりあげる。それを5・6回行う。指は左右どちらでもよい。〔ツボは「印堂」(いんどう)〕
左右の眉の間の中間のつぼ(いんどう)



2. 座った姿勢で、目頭と鼻の根元の中間のくぼみを両手の人差し指を当て、目を閉じて前かがみになりながら息を吐きつつ「1、2、3」で力を入れ、「4、5、6」で息を吸いながらもとに戻り、力を抜き目を開ける。これを5・6回行う。〔ツボは「睛明」(せいめい)〕
目頭と鼻の根元の中間のくぼみのつぼ(せいめい)



3. 座った姿勢で両手の中指を目尻の外側で親指の幅1/2本分いったところのくぼみの真ん中に当て、息を吸いながら首を後にそらしつつ「1、2、3」で力を入れ指圧する。「4、5、6」で息を吐きながら力を抜いていき、もとに戻る。これを5・6回行う。〔ツボは「瞳子 」(どうしりょう)〕
目尻の外側で親指の幅1/2本分いったところのくぼみの真ん中のつぼ(どうしりょう)