〔研究所情報〕
H.C.R.2005 国際福祉機器展のご案内
研究所 福祉機器開発部 福祉機器開発室長 井上 剛伸
特別研究員 酒井 美園



 今年も、国際福祉機器展が開催されます。場所は例年どおり、 東京ビッグサイト、期間は9月27日〜9月29日の3日間です。 国際福祉機器展は、例年約13万人が来場し、この数は世界一の来場者数をほこっています。 展示内容も多岐にわたり、自助具から自動車に至る幅広い範囲に及びます。 ここに来れば、日本の福祉機器の現状をすべて把握できるといっても過言ではありません。
 研究所では毎年ブースを構え、研究成果を発表しています。 今年も、福祉機器開発部、障害福祉研究部を中心に、過去最大の4ブースを使って出展いたします。 今年のテーマは、“活動し、参加する力”。障害のある方々の個々の力を活かし、 活動と参加への力を生み出す。そんな技術開発を前面に打ち出しました。そこには、 できあがった物のみならず、その開発に当事者の方々が自ら参加するという、 これまで研究所で進めてきた機器開発手法も含めて、大々的にアピールしています。
 このテーマは、現在研究所で進めている科学技術振興調整費によるプロジェクト“障害者の安全で快適な生活の支援技術の開発”(平成16年度〜平成18年度)で取り組んでいるもので、 今回の展示はこの成果を中心に構成しています。この研究プロジェクトは、 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所と独立行政法人産業技術総合研究所が中核となり、 東京大学、静岡県立大学、横浜国立大学が参画した大規模なものです。 一つの特徴は、当事者サイドに立つ我々の研究所と、技術開発の最先端に立つ産業総合技術研究所が、 がっちりとタッグを組んで研究を推進している点にあります。 プロジェクトは大きく2つのサブテーマで構成されています。 一つはマルチメディア技術を駆使した、情報コミュニケーション支援技術の開発で、 理解とコミュニケーションに障害のある方々に、わかりやすい防災訓練マニュアル及び避難方法の確立を目指しています。 もう一つのサブテーマでは、重度障害者の自立移動の実現を目指し、 音声認識や画像認識などの先端技術を活用した高機能な電動車いすの開発を行っています。 今年度は3年計画の2年目ということもあり、最終的な成果はまだ展示できませんが、 プロジェクトのコンセプトである“活動し、参加する力”と“福祉機器開発”を十分に伝える展示を作っています。
 また、上記プロジェクト以外の研究所のトピックスとして、手話言語電子辞書(感覚機能系障害研究部)、 屋内作業用電動車いす(福祉機器開発部)、認知障害者を支援するPDAソフトウェア(障害工学研究部)、 義足の即時適合採型システム(補装具製作部)の展示も行う予定です。
 日頃福祉機器でお悩みの方、福祉機器に興味をお持ちの方、福祉機器を生業としている方、 日々の仕事にお疲れの方、等々、是非是非、ご来場下さい。