〔ワンポイントマッサージシリーズ3〕
〜 東洋の経験と知恵を活かして
健やかな毎日を 〜
理療教育部主任教官  柳澤 春樹



3 「肩こり」(その1)
  「肩こりは万病のもと」、「肩こりは健康のバロメーター。肩こりを甘く みてはいませんか? 肩こりには頭痛や目の疲れなどを伴うことが多く、それ は内蔵の不調や脊中の病気、あるいはいろいろなストレスなどによって感じる ものなのです。
  肩こりぐらいとたかをくくっているうちに深刻な慢性病が進行しているこ とも多いのです。そのようなことがないかどうか内科や整形外科、あるいは神 経科などで診察してもらうことをお勧めします。
  根本的な病気があればまずその治療が大切です。しかし、最近では、はっ きりとした原因がつかめないのにストレスや運動不足から肩こりを訴える人達 が非常に増えています。特に若い人達の肩こり人口の増加には驚かされます。
  今回はこの「肩こり」を自分で軽快させる方法を覚えましょう。



1) リラックスして座ります。首の根元から肩先までの中央部に反対側の親 指を当てゆっくりと押して行きます。押すときには反対側の手のひらで押す側 の肘を下から押し上げるようにします。そして首を押す肩と反対側に曲げなが ら行なうとさらに効果的です。
  「1、2、3」と息を吐きながら力を入れ、「4、5、6」で息を吸いな がら力を抜きます。これを5・6回行なったら反対側にも同じように行ないま す。(肩井「けんせい」)


(写真)肩井「けんせいい」
1) 肩井



2) やはりゆったりと座って行ないます。第4胸椎棘突起(背骨の出っぱり )の下でそこから指の幅4本分のところを反対側の人差指から小指の4本をそ ろえて第2関節を曲げてゆっくりと押し揉みします。このときに、もう一方の 手のひらで肘を押し上げるようにすると力が入りやすいのです。「1、2、3 」と息を吐きながら力を入れ、「4、5、6」で息を吸いながら力を抜きます 。これを5・6回繰り返したら反対側も同じように行ないます。 (膏肓「こうこう」)


(写真)膏肓「こうこう」
2) 膏肓



3) ゆったりと座り足を組むようにします。足の小指の関節の後側(第5中 足骨外側を指先に向かって押していったときに指が止まるところ)に人差指を 当てて小さく押し揉みをします。「1、2、3」で息を吐きながら力を入れ、 「4、5、6」で息を吸いながら力を抜きます。5・6回繰り返したら反対側 にも行ないます。(束骨「そっこつ」)


(写真)束骨「そっこつ」
3) 束骨



  針灸でもそうですが、東洋の治療法では肩こりだからといってこっている 局所だけを治療点とはしていないことが多いのも特徴です。
  この他にも肩こりのマッサージにはいろいろな方法を用いますが、ココで はよく使用される肩外兪(けんがいゆ)と合谷(ごうこく)の位置を書いてお きました。
  肩こりを改善させるにはいろいろな運動がかかせません。そこで次回では 、簡単な「ストレッチング」をいくつかご紹介する予定です。


(写真)肩外兪「けんがいゆ」
肩外兪
(写真)合谷(ごうこく)
合谷