〔学院情報〕
平成17年度 義肢装具士研修会
(座位保持装置)を終えて
研修担当:学院 義肢装具学科教官 星野 元訓



 去る11月16日(水)〜18日(金)の3日間にかけて義肢装具士研修会(座位 保持装置)が当センター学院義肢装具士養成棟を会場として開催されました。 この研修会は義肢装具士の知識と技術の向上を目的に開催されており、座位保 持装置については製作者の底辺拡大を図るべく平成15年度から始まり、本年度 が3回目の開催となりました。受講者は全国の義肢装具製作施設や義肢装具士 養成校から11名の方が参加されました。
 本研修会は講義と実技からなり、講義では座位保持装置に関する種類、その 製作方法と使用者の疾患上の特徴や注意点と姿勢評価方法、さらに、座位保持 装置に用いられる高機能材料の特性などについて、一連の内容の講義が行われ ました。
 実習では日常座位保持装置を使用している2名の方にモデルとしてご協力い ただき、グループに分かれて採型から仮合わせまで一連の工程について行いま した。座位姿勢の評価に基づく採型では、座位保持装置用採型器を用いて、い かに適切な肢位を設定するかが重要であり、またウレタンチップ材を材料とし た製作ではわずかなずれも許されず、細やかな作業による成形などの高度な技 術が要求されます。この技術習得のために受講者の方々は多くの質問をされる など皆真剣に取り組まれていました。その熱意に応えるべく、手をとって工具 の使い方を説明するなどの細部に至る技術指導がなされました。
 今年度は開催期間中、週の前半に同じ座位保持装置をテーマとした理学療法 士研修会の聴講が可能であるという当センターならではの特色を生かすことが できました。今後も研修会内容を充実させるべく、様々な改善を試みていきた いと思います。
 今回の研修会で得られた知識・技術を応用・発展させて、座位保持装置の品 質向上につながることを期待しております。


(写真)実習を交えながらの材料学の講義
実習を交えながらの材料学の講義



(写真)ウレタンチップ材の加工
ウレタンチップ材の加工


 
平成17年度義肢装具士研修会日程表
 

テーマ:座位保持装置
月日 午前 午後
11月
16日
(水)
開講式・オリエンテーション
(9:30〜10:00)
 
(1)講義 座位保持装置総論
(10:00〜11:00)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター病院
  副理学療法士        岩崎洋
 
(2)講義 座位保持装置の種類と製作方法
(11:00〜12:00)
 (有)タカハシ補装具サービス 橋功次
(3)講義・実技 座位姿勢評価と機器選択
(13:00〜15:00)
 (医学的所見の説明)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター病院
第一機能回復訓練部長    赤居正美
 
 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
 高齢障害者福祉機器研究室長 廣瀬秀行
 (有)ヤスダ・ブレース     安田富男
 
(4)講義・実技 シュミレーションによる採型法
 製作実習
(13:00〜17:00)
 (有)ヤスダ・ブレース     安田富男
 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
 義肢装具学科教官      星野元訓
17日
(木)
(5)講義・実技 背面製作方法
 製作実習
(9:00〜12:00)
 (有)ヤスダ・ブレース     安田富男
 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
 義肢装具学科教官      星野元訓
(6)講義・実技 背面製作方法
 製作実習
(13:00〜17:00)
 (有)ヤスダ・ブレース     安田富男
 国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
 義肢装具学科教官      星野元訓
18日
(金)
(7)講義 シーティングの材料学
(9:00〜10:00)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
義肢装具士         中村隆
 
(8)講義・実技 座位保持装置の適合学
(10:15〜11:45)
 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所
高齢障害者福祉機器研究室長 廣瀬秀行
 (有)ヤスダ・ブレース     安田富男
閉講式
(11:45〜12:00)
希望者のみシーティング適合サービス見学
(14:00〜15:00)