〔学院情報〕 |
平成17年度 言語聴覚士研修会を終えて |
研修担当責任者:学院 言語聴覚学科主任教官 中村 公枝 |
平成17年度言語聴覚士研修会を11月30日(水)から12月2日(金)までの3
日間、開催しました。今年度の研修会のテーマは「乳児期の難聴児のハビリテ
ーション」です。新生児聴覚スクリーニング検査のモデル事業が開始され5年
目を迎えましたが、難聴幼児通園施設及びろう学校のゼロ歳児数は年々増加し
、平成14年度255名が16年度には400名に増加しています。また新生児聴覚スク
リーニングで発見された児の割合は14年度が37%に対し16年度は60%に上りま
す。平成14年度に開催した「新生児聴覚スクリーニングと早期療育」の研修会
参加者への調査結果では6か月未満の難聴乳児の指導経験者はわずか35%にす
ぎませんでしたが、その後3年を経過し、ゼロ歳児へのハビリテーションにつ
いても具体的な取り組みやその成果並びに課題も見えてきました。
一方聴覚障害児の療育・教育の歴史は長く、過去の歴史に学びながら、今の
時代にふさわしいハビリテーションを構築していくことが求められています。
言うまでもなく難聴児のハビリテーションにはその子どもに対する長期的視点
が必要とされます。乳児を担当する言語聴覚士は、子どもの発達や学習ととも
にその将来を見据えたうえで、子どもの“今、ここに”生きる一瞬一瞬を大切
にする必要があります。そこで今回の研修会では、「乳児期の難聴児のハビリ
テーション」に携わる言語聴覚士が学ぶべき基本的課題を取り上げ、さらに最
新の知識と実践に即した内容の研修会を企画しました。
プログラムは、吉野公喜先生による基調講演「聴覚障害児のハビリテーショ
ンの未来を語る」に始まり、聴覚検査・評価、人工内耳、補聴器、病院・通園
施設・ろう学校などでの療育・教育の実際さらにグループに分かれての事例検
討と「乳児期の難聴」をテーマに構成しました。
参加者数は定員30名のところ64名になりました。経験年数は半年から34年の
ベテランまで多彩な顔ぶれで、講師の先生方も他の先生のご講演を受講して下
さるなど3日間とも会場は熱気にあふれ充実した研修会となりました。
講師の先生方のお話はどれも難聴児のハビリテーションや療育・教育への熱
い想いと豊富な資料をもとにした具体的な内容で、受講者も明日の臨床への大
きな力をいただけたようです。終了時のアンケートでもテーマを明確にした研
修会への満足度は高く、多数の方から今後への期待と感謝が述べられておりま
した。
講師の先生方の熱意と受講者の研修への真摯な態度に主催側一同支えられ励
まされた3日間でした。ここにご協力いただきましたすべての方々に心よりの
御礼を申し上げますとともに、参加者がこの研修会での成果を大いに活用され
ますよう祈念しております。
平成17年度 言語聴覚士研修会日程表 |
月日 | 午前 | 午後 | ||||||||||||||||||||||||||||||
11月 30日 (水) |
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12月 1日 (木) |
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2日 (金) |
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