〔更生訓練所情報〕
第14回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師
国家試験を終えて 〜 全員、金メダルを目指して 〜
理療教育部 教官 松浦 久泰



 第14回標記国家試験が、去る平成18年2月25日、26日の両日、当センターを 埼玉県会場として実施されました。
 更生訓練所理療教育課程利用者では、25日のあん摩マッサージ指圧師試験を 41名、26日のはり師、きゅう師試験を26名が受験しました。
 この時、ちょうど、イタリアのトリノで冬季オリンピックが開催中でした。 試験の前日、荒川静香選手が、女子フィギュアスケートで日本にとって待望の 金メダルを獲得しました。この朗報に気分をよくし、自分も頑張ろうという思 いで試験に臨んだ受験生も多かったことでしょう。
 しかし、オリンピックと国家試験では大きく違う点があります。
 オリンピックで金メダルを取るには、他の選手に勝たなければなりませんが 、この国家試験は資格試験ですから、一定以上の成績を取れば、受験生全員合 格できます。
 受験生は、これまで互いに助け合い励ましあって、国家試験合格を目指して 頑張ってきました。
 3年ないし5年という長きにわたって厳しい訓練に耐えてきました。途中で 断念してセンターを去っていった仲間の姿も見ています。
 専門課程を卒業するある男性は、2年の時に持病が悪化して入院、長期欠席 しました。「もう、だめか」と、訓練を断念する寸前まで追い込まれました。 しかし、「やれるところまで、やってみよう」と思い直して、放課後に休んだ 授業の補習や追試験を受けました。クラス担任の私と「日付が変わるまでに勉 強を止めて寝る」という約束も守らない程頑張り、そして見事に3年間で卒業 、国家試験受験にこぎつけたのです。
 国家試験を受験できるだけでも、1つの大きな目標です。それに合格するの は、金メダルと同じぐらいの価値があると思われます。
 勿論、試験に合格すれば、それで終わりというわけではありません。国民医 療を担う、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師として、スタートライ ンに立てるだけです。オリンピック選手も、金メダルを取ることが人生の目標 ではないはずです。
 この国家試験の合格発表は3月27日です。受験生全員の、合格という金メダ ルを獲得できることを願うばかりです。