〔ワンポイントマッサージシリーズ7〕
〜東洋の経験と知恵を活かして健やかな毎日を〜
理療教育部主任教官
柳澤 春樹


7.「肘の痛み」
 「家事動作で片手なべややかんなどを持つと、肘が痛くて困る」。また、テニスや野球、ゴルフなどで肘が痛くなったという人も多いものです。原因は多種多様で、本人に特に思い当たる原因がないという場合もよくみられます。スポーツや交通事故などによる外傷が明らかで、症状の重い場合は、確実な診断の上で、手術を含めてしっかりとした治療を行なわなければならないものも沢山あります。医療機関を訪れて治療をしても、なんとなくいつまでも痛みがあってつらいというときに、少しでもそれを軽快できるように、以下の方法をご紹介します。

1.椅子に座り行ないます。掌を上にして肘を伸ばし、肘関節の中央付近にある部(図)を反対側の親指で指圧します。1、2、3、と息を吐きながら押し、4、5、6、で息を吸いながら力を抜きます。これを5・6回くりかえします。(曲沢「きょくたく」)(図1)

 
  図1 曲沢(きょくたく)
 


2.椅子に座って行ないます。肘の外側にあるポイントで肩こりやテニス肘などでもよく用いられる有 効なつぼに曲池(きょくち)があります。ここを反対側の中指を曲げて指圧します。1、2、3、と息を吐きながら押し、4、5、6、で息を吸いながら力を抜きます。5・6回行なったら反対側にも行ないます。(曲池「きょくち」)(図2)

 
  図2 曲池(きょくち)
 


3.やはり座ったままで行なえます。肩関節の後側にある大切な場所で、肩の痛みでもご紹介したところです。反対側の4本の指を当て1、2、3、4、5と大きめにもむようにします。5・6回くりかえしたら反対側にも行ないます。(肩貞「けんてい」)(図3)

 
  図3 肩貞(けんてい)
 


 この他にも手背から手首を越えて前腕全体(特に後側と外側)を経て肘関節の上まで、反対側の手掌全体でのマッサージが効果的です。強さは気持ちのいい程度を目安にしてください。  そして、痛みの強い作業やスポーツは自制するのが基本です。専門家の指導を受けて、テーピングを行なったり、湿布薬を使うのもいいでしょう。