〔更生訓練所情報〕
生活訓練課程野外訓練を終えて
指導部生活訓練課 生活訓練専門職 石森 伸吾



 生活訓練課程は、集団での話し合いを通して他者との交流を深め、一日の活動を企画・実施することにより、日頃の訓練成果を発揮 するための確認の機会とすることを目的とした、野外訓練を実施しています。今年は8月3日(木)に入間川の源流である名栗川の第 6区河川広場で利用者13名、職員・実習生等18名の計31名で実施しました。


(写真)買い物の様子
買い物の様子

   野外訓練の準備は約2ヶ月前からグループワーク形式(1グループ約7名)で利用者の皆さんが主体となり、役割分担、企画、食事 内容等を検討し企画しました。また、毎回の話し合いでは、デイジー録音再生機で録音しパソコンで議事録を作成するなど、日頃の訓 練成果を発揮したり、逆に訓練の新たな課題としても取り組みました。メニューを決める際には、バーベキューの具材でわかめを焼く など、色々と珍しい食材の提案もあり、笑いが起こることも度々ありましたが、バーベキュー、おにぎり、卵スープに決定しました。 レク班ではお互いの意見を調整することが難しかったり、準備計画が不十分で苦戦しつつも、片道では十分なほどのバス車内と現地で のレクを企画しました。集団での話し合いの中では名司会ぶりや制限食の人への気遣い、コミュニケーションの方法が異なる人同士の 会話手段への配慮など普段の訓練とは違う一面を垣間見ることができました。野外訓練前日には各グループで予算と分量を確認し、近 隣のスーパーに食材の買出しに行き、必要に応じて店員の方に値段や分量などを確認し食材の準備を行いました。


 野外訓練当日、台風の影響で心配された天気も晴天となりました。現地までのバス内では、時間当てクイズ、グループ対抗○×クイ ズなど盛りだくさんの企画で移動時間をいっぱい使い、大変な盛り上がりを見せました。現地では、バスでのレクの疲れを癒しつつ、 レク班ではレクで使用する風船を黙々と膨らませ、調理班はてきぱきと指示を出す人、黙々と野菜を切る人などそれぞれのカラーを出 し、楽しい雰囲気で昼食とレクの準備を行いました。みんなで作ったおにぎりは不揃いでしたが、川のせせらぎとさわやかな風を感じ ながら、おいしく昼食をいただきました。
 昼食後のレクではレク班長の熱い司会のもと、手拍子などの誘導を頼りに風船を置いたエリアまで移動し4つの風船を割る「風船割 りゲーム」を行いました。それぞれの障害に配慮し誘導方法を工夫したり、アイマスクを付けるなどして、利用者と職員が一緒になっ て楽しいひと時を過ごしました。


(写真)風船割りゲームの様子
風船割りゲーム

 今年の野外訓練は天候にも恵まれ怪我や事故もなく、笑顔のもとに無事終えることができました。集団での話し合いでは日頃の訓練とは 異なる一面を垣間見ることができ、職員も集団の中での取組みの必要性を改めて感じました。また、利用者の皆さんが、実際の場面で日頃 の訓練成果を発揮することにより、改めて自信を付けたり、課題を発見する機会となったことからも野外訓練の目的を達成できたように思 います。最後に、野外訓練の実施にあたり、ご支援、ご協力いただきました他部署の方々には感謝するとともに、お礼を申し上げます。


(写真)全体写真
全体写真