〔学院情報〕 |
高次脳機能障害支援事業関係職員研修会を終えて |
学院事務室 |
去る7月5日(水)から7日(金)の3日間にわたり、当センター学院講堂において「高次脳機能障害支援事業関係職員
研修会」を開催いたしました。
本研修会は、平成15年度に高次脳機能障害支援モデル事業の一環としてスタートし、16年度から本学院の一般の研修事業
として実施してきたところです。今回の研修会の受講者172名も含め、これまでの累計で653名の方々に受講していただきま
した。開始当初の15年度と16年度は、受講対象者を身体障害者更生相談所、病院及び福祉施設等の関係機関において高次脳
機能障害者の診断、評価、リハビリテーション、支援などに携わる医師及び関係する職種にある者とした、3日間の研修会
である「一般研修コース」と、各都道府県等の行政担当の職である者を受講対象者とした、2日間の研修会である「短期研
修コース」を開催しました。そして、この事業が軌道にのった平成17年度からは、本研修会をより効果的・効率的な研修会
とするよう、これら2種類の研修会をひとつの研修会にまとめ、都道府県等における行政担当者、関係機関の担当者(病院
の医師及び関係する職種並びに福祉施設の担当者等)が高次脳機能障害に関連する諸問題について、必要な知識及び技術を
習得することを目的とする3日間の研修会として実施してきております。
今回の研修会の開催に当たっては、障害者自立支援法に基づく都道府県地域生活支援事業の一環として高次脳機能障害支
援普及事業がこの10月から始まることから、本事業の効果的な展開を期するため、全国の関係者に対して積極的に本研修会
に参加されるよう呼びかけたところ、全都道府県から172名もの多くの方々に御参加いただきました。
研修会初日には、厚生労働本省の担当官から「障害者自立支援法と高次脳機能障害について」及び「高次脳機能障害者に
おける福祉サービスの取扱いについて」というテーマで、モデル事業の展開によって得られた多くの成果を全国的な規模に
普及・拡充することをねらいとして高次脳機能障害支援普及事業の概要などについて講義をしていただきました。
2日目は医学的な側面から、高次脳機能障害についての診断・評価基準を中心に、3日目はモデル事業にその創設当初か
ら深くかかわっていただいた講師の方々に、生活訓練、職能訓練、家族支援の実際と支援のあり方などについて講義をして
いただきました。日程表は別紙のとおりです。
受講者に対するアンケート調査では、「各講義や、名古屋・神奈川・三重の取り組みについては具体的でわかりやすい」
、「現場の話が勉強になった」、「現場で役立つ内容で良かった」、「資料については充実していた」、「モデル事業から
みた高次脳機脳障害については勉強になった」、「講師陣がすばらしかった」などの感想をはじめ、「障害者自立支援法に
ついては、もう少し時間をかけわかりやすく」、「講義だけではなくワークショップなど、参加型の講義をして欲しい」な
どの意見もいただきました。また、今後希望されるカリキュラムについては、「各県等の現状について、助言も含むグルー
プ討議」、「市町村等関係機関への研修の持ち方について」などの意見の提出がありました。
最後になりましたが、今回の研修会の実施に際しまして、厚生労働本省をはじめ、関係各位から多くの御指導、御協力な
どを賜りましたことについて本紙面をお借りいたしまして改めて厚く御礼申し上げるとともに、受講者の皆様方が今回の研
修会で得られた知識などを御活用されて、地域の実情に応じた高次脳機能障害者に対する支援事業をなお一層積極的に展開
されますよう祈念いたします。