〔更生訓練所情報〕
就労移行支援事業「職場体験訓練」の紹介
更生訓練所



 就労移行支援事業は、様々な訓練を有機的に組み合わせてサービスを提供し、社会生活上必要な能力と作業能力や技能の習得により、就労に結びつけ ることを目的としています。今回は、様々な訓練の中で「職場体験訓練」について説明させていただきます。
 修了生を雇用している事業所の方から当センターへの要望として「技術もさることながら、先ず毎日遅刻なく出勤できること。挨拶や場面に合わせた 言葉遣いができること。仕事に対して積極的であること。」などの人材に関するご意見を多く聞く機会がありました。従来の訓練も以上のような視点で の支援は行っていたのですが、新事業の訓練プログラムを充実させるに当たり、改めて雇う側からの意見を重要と考えて、社会人としてのマナーや職業 人としての自覚を養うことを目的にして「職場体験訓練」として充実を図りました。
 様々な作業を行うことにより次のようなことを学んでいただくことをねらいとしています。


@社会・職場のルールを学びます。
   実際の会社に近い環境を設定し、会社での人間関係や社会でのルールを体験してもらいます。その中で、仕事に対する責任感を養ったり、学校のルー ルと社会のルールとの違いや、働くためにはどんな力が必要か、などを学んでいただきます。
A受注から納品までの仕事の流れを学びます。 
 訓練の教材は、センター内各部署の実際の仕事の一部を受注してきます。この生きた教材を利用して仕事の請け方や依頼主に対する受け答えの方法や 態度・言葉使い等を学んだり、納期を守ることの厳しさ等を学んでいただきます。
 ちなみに、この国リハニュースの発送用封筒作り(宛名や料金別納シール貼り)や封入・封緘作業等も訓練の一作業として行っています。
B作業を遂行するための方法を学びます。 
 作業を約束の納期まで終えるための作業計画を立てたり、作業分担や一人一人の状況に合わせた作業方法を考えたり、効率的な作業の進め方や作業環 境等について学んでいただきます。
C共同作業・チームワークについて学びます。 
 同じ作業を行うチームのために「自分は何ができるのか」「どうやったらできるのか」を考え、お互いに尊重し、長所を引き出しあい、協力して行う ことの大切さを学んでいただきます。
D職業人としての社会生活上必要な諸能力を学びます。 
 毎日遅刻・欠席なく出勤できること。挨拶や連絡・報告がきちんとできること。時や場所に合わせた服装や言葉使いができること。相手の意見を聞き 自分の意見を言えるようになることなどの諸能力を身に付け習慣化することを学んでいただきます。その他に、特に障害のある方は自分の障害に合わせ た健康管理や生活ができることも重要となります。

 離職の大きな原因の一つに「人間関係」をあげる方も多くおられます。以上のような職場体験訓練を通して、会社から必要とされる人柄や人間関係を築 いていける力を身につけていただく場として考えていただけたら幸いです。
 さらに、日々の訓練がすすんでいきますと、次の段階としてセンター内の各部署を利用した実習(センター内職場体験実習)やセンター外の会社や事業 所での実習(センター外職場実習)を行っていきます。センター内外の実習において訓練の成果を確認して、就労への可能性を検討し求職活動等に活かし ていただきます。


(写真1)コピー・印刷機・シュレッダー管理(用紙点検・補充)の様子
コピー・印刷機・シュレッダー管理
(用紙点検・補充)
(写真2)コピー・印刷機・シュレッダー管理(シュレッダーのごみ捨て・掃除作業)の様子
コピー・印刷機・シュレッダー管理
(シュレッダーのごみ捨て・掃除作業)

(写真3)給食サービス(弁当業者への連絡)の様子
給食サービス(弁当業者への連絡)
(写真4)給食サービス(注文数の確認および請求書の作成等)の様子
給食サービス(注文数の確認および請求書の作成等)

(写真5)発送用封筒つくり作業の様子
発送用封筒つくり作業
(写真6)資料の封入・封緘作業の様子
資料の封入・封緘作業