〔平成19年度重点事項〕
病院
 


1 病院の運営方針

 平成19年度、病院は基本方針として、信頼のおけるリハビリテーション医療と安全で高度な医療を提供していく。平成19年3月に実施した第三者機関である日本医療機能評価機構による審査は設備面での改善を前提としているため、平成19年度に外来の改修を行う予定である。またセンターが横断的に企画している発達障害支援事業に対し、病院として積極的に参画する。医学的リハビリテーションを必要とする難病の患者さんについて、各科で対象者を集め段階的に強化して行くことを検討する。更生訓練所の利用者に対する医療サービスは、厳密な医学管理の継続を必要とする対象者の増加が予測され、入所者診療室を通して多彩な障害に対応できようオーダリングの一部を活用して情報伝達を緊密で効率の良いものとする。


2 重点事項(計画)

(1)第三者機関による病院機能評価

第三者機関による病院機能評価を受けるにあたり、昭和54年に開設し平成4年に増設した外来の一部を改修し、診療科等の一部を移動させ機能強化を図る。また各委員会を初め全ての病院機能を再検討し、向上を図る。

(2)高次脳機能障害リハビリテーションの充実

高次脳機能障害支援モデル事業の終了後、そのリハビリテーションを希望する患者は増加しており、引き続き病院の高次脳機能障害リハビリテーション委員会にてその事業を継続していく。

(3)障害者の生活習慣病

障害者の生活習慣病・二次障害予防対策(運動と栄養)の立案・実施に向けて診療部内科、看護部、栄養管理室、リハビリテーション体育を中心に引き続き調査研究を行ない(3年計画の3年目)、運動・栄養・フットケアプログラムの試行・評価を通してモデルを完成する。

(4)高位頸髄損傷者の医学的リハビリテーション確立と普及

診療部、看護部、一訓、二訓を中心に高位頸髄損傷者の医学的リハビリテーション確立と普及を図る。

・ 高位頸髄損傷者の残存機能を有効に活用するためにADLを中心に、これまでの検査結果等を検討していく(OT)。

・ 頸髄損傷者の摂食・嚥下障害リハビリテーション及び人工呼吸器を含む気管カニューレ装用者への呼吸・音声リハビリテーションを拡充しつつ、リハビリテー   ションの方法論を確立する(ST)。

・ 人工呼吸器を使用している高位頸髄損傷者に対して、早期より車いす姿勢を整え電動車いすで移動能力確保ができる当院の理学療法システムを確立する  人工呼吸器を使用している高位頸髄損傷者、ご家族にベッドと車いす間の移乗方法の指導を検討する(PT)。

・ 高位頸随損傷者の入院生活を分析し、家族によるケア計画に役立てる(看護部)。

(5)難病のリハビリテーション

各科で難病のリハビリテーション対象患者を集める。

(6)カルテ一元化

電子カルテを含め、カルテ一元化を検討する。

(7)健康教室の開催

看護部、診療部、リハビリテーション体育、栄養管理室を中心に平成18年12月から開始した健康教室を継続・発展させる。当院利用者が、院内の専門職による正しい知識と情報・グループでの学習・ディスカッションの場の提供により健康を指向した生活を送れるよう援助する。

(8)障害者性機能障害に対する医療の充実

脊髄損傷者の挙児及び関連する医療の充実のため、ひ尿器科と看護部を中心に、外部の医療機関とも連携して、男性の人工射精、体外受精などの不妊治療に取り組む。また、脊髄損傷女性の妊娠、出産に関する情報を整備し、情報を提供する。

(9)NST(栄養サポートチーム)の立ち上げ

平成18年度に、栄養管理室、診療部、看護部が一体となってNSTを立ち上げたが、今年度は更に低栄養にある褥瘡患者、高齢者、障害者、手術患者等をサポートする。