〔野鳥シリーズ55〕
リハセンターに飛来する野鳥を友に
日本福祉教育専門学校
見原 捷三(元理療教育部長)



ダイサギ(大鷺)

 シラサギと言えば皆様は、何を連想されますか。筆者は、神戸視力センターに勤務していましたので、真っ先に別名白鷺城と呼ばれている姫路城を思い浮かべます。

 シラサギの真白な姿は、いつ見ても優雅で白壁が映える姫路城は、シラサギが羽を広げた様に見えます。

 さて、一口にシラサギと言っても、前々号からご紹介しているとおりコサギ、チュウサギそれに加えて、今回掲載するダイサギの3種類がいます。

 このダイサギは、全長85〜102p、翼開帳140〜170pでシラサギの中では、最大級で全身が真白の一際美しい鳥です。

 繁殖地は、地球上の熱帯から温帯にかけて広く繁殖していますが、日本では関東地方から九州までの各地で繁殖し、川、池、干拓等で水の中を餌場としています。冬になると大部分が暖地に移動します。魚を見つけると写真のとおりS字型に曲げた首を瞬時に伸ばして捕食します。前々号に記載したコサギより足が長いので、深い所まで餌場にすることが出来ます。

 このダイサギも、コサギや次回に掲載予定のゴイサギ等と一緒に、鷺山と呼ばれるコロニーを作ります。繁殖期の4月から6月になると、木の上に小枝を積み重ねて皿状の巣を、雌雄共同で作り、卵数2〜4個、排卵日数4週間、巣立ちまでの日数4週間〜6週間位で大空を舞います。鳴き声は、「ゴヮー ゴヮー ゴヮー」容姿に対して、決して美しいとは言えませんが、大声で鳴きながらリハセンターや皆様のご自宅周辺の上空を、優雅に飛んでいるのを観察出来ると思います。

 ところで、最近のニュースで皆様もご承知のとおり、兵庫県豊岡市で一度は環境破壊により絶滅したコウノトリが、人工繁殖によって成育させ野山に放鳥した一番(つがい)が、巣作りをしたこと、また、佐渡のトキも同じく絶滅したもののコウノトリと同様に人工繁殖に成功して、数年後には、佐渡の空をトキが舞う計画がなされています。

 一度絶滅した種を、元に戻すには、気が遠くなるような努力が必要です。このサギ類も餌の魚を通して、農薬等による水質汚染の影響を受けやすいので、野鳥に限らず山野草、昆虫、諸動物等が、同じ運命をたどらないように自然環境を守っていく必要があるのではないでしょうか。



(写真)ダイサギ(大鷺)