〔更生訓練所情報〕
第28回理療教育課程入所式‐新たな挑戦のスタート‐
更生訓練所理療教育部


 平成19年4月4日、構内を取り巻く桜の花も歓迎する中、センターの門をくぐった25名の方が、新たに理療教育課程の仲間となりました。

 当日は、まず本館大会議室で重要事項説明がなされ、利用契約を整えた後に同じ場所で入所式が挙行されました。

 各人の氏名が読み上げられ、立ち上がる顔には緊張と希望の入り交じった表情がうかがわれ、子供も大人も同じであることを改めて確認させられました。お迎えする私どもも、身の引き締まる思いをする瞬間です。

 江藤更生訓練所長の挨拶では、はじめに第15回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師試験受験の結果が紹介されました。昨年度、卒業生の合格率は3科とも85%前後で、晴眼者の合格率の平均を2年連続で上回っておりました。新入所の方々にとりましては心強い、卒業生の躍進ぶりです。

 当理療教育課程は、障害者自立支援法の下「就労移行支援(養成施設)」と位置づけられております。高い就職率を上げる前提として、高い合格率を維持する取組みが当部に課せられた大きな使命です。新たな事業展開に弾みがついた結果と言えましょう。

 また、教材、授業、臨床、学習手段の開発などに関する研究や研修の取組みが紹介され、これらの成果を広く理療教育課程在籍の皆様に還元する決意が述べられました。

 理療教育課程は3つの分野からカリキュラムが組まれています。人文科学概論や社会科学概論など基礎分野、解剖学や生理学など専門基礎分野、東洋医学概論や経絡経穴概論などの専門分野です。また、専門分野には、あん摩、マッサージ、指圧、鍼、灸の各実技科目と臨床実習も含まれます。専門課程、高等課程とも所定の単位を取得して国家試験受験資格を得ることとなります。

 このように、いわゆる座学のほか、模型観察や実技、実習など、様々な教育内容を履修していただく中で、どのように教育効果を高めていくか。限りなく合格率を高め、質の高い施術を提供できる施術者を社会に送り出すために、教官の教育力向上は欠かすことができません。たゆまずに努力を続ける必要があります。

 最後に幹部職員の紹介がなされ、滞りなく入所式を終えました。

 25名の方々の新たな挑戦のスタートです。入所式後のインタビューから。

「ついにこの日がやってきたという感じです。5年まで進んで鍼灸師になりたいです」

(高等1年 Aさん)

「何十年ぶりかで学生に戻ったような気持ち。勉強に対する心配はありますが、若い人たちと一緒に頑張ります」(専門1年 Bさん)

 3年、5年という月日は、長いようで短いものです。晴れて社会復帰される日を目標に、私たち理療教育部一同も皆様の充実した学業生活のサポートをお約束いたします。



(写真1)おひとりずつ氏名を呼び上げられ、立ち上がっている場面

おひとりずつ氏名を呼び上げられ、立ち上がっている場面