〔学院情報〕 |
平成19年度相談支援従事者指導者養成研修会を終えて |
更生訓練所生活訓練課 加藤 晴喜 |
去る6月27日(水)から6月29日(金)までの3日間にわたり、平成19年度相談支援従事者指導者研修会を開催いたしました。
本研修会は、平成18年10月から施行された障害者自立支援法(以下「法」という。)に基づき、各市町村が整備することとされた地域の相談支援体制の充実並びに相談支援従事者研修事業の円滑な実施に資するため、都道府県において、ケアマネジメントの手法を用いた相談支援を実践している者に対し、研修・指導・助言等を行う者の養成等を目的として実施するものであり、本年度から、当センターで実施することとなったものです。
研修会は、別紙のプログラムに基づき、各都道府県から相談支援従事者が151名及び都道府県の相談支援事業担当職員32名、全体で183名が受講しました。
まず1日目は、行政説明として、法の解説や施行状況等の説明に始まり、都道府県研修の実施方法が厚生労働省の担当者より説明が行われました。
また、各地域の実践報告として、埼玉県川越市・長野県上田市・北海道十勝地域の3地域から、精神障害者の退院促進、障害者の地域移行の取り組みについて、具体的な事例等も含めて報告が行われました。
また、各都道府県の研修を通じ、相談支援従事者に相談支援の実際を適切に伝達するため、指導者としての相談支援のあり方に関するスーパーバイズ論について講義が行われました。
2日目は、都道府県研修において事例演習を行う際に、どのような視点で事例を分析するのかについて解説がなされ、それに基づき、個々の受講者が持参した実際の事例を用いた演習を通じて理解を深めていただきました。
なお、都道府県担当者については、2日目の午後は別プログラムを用意し、各都道府県における相談支援従事者研修や自立支援協議会の運営等について、3グループに分かれて各地域の取り組み状況などについて意見交換を行いました。
3日目は、法に基づき、都道府県及び各地域が置くこととされている自立支援協議会について、シミュレーションによる協議会の様子を収録したDVDを用いながら、協議会の位置づけ・意義・展開の方法等について解説が行われ、これにより、受講者に明確なイメージを持っていただき、自立支援協議会を開催することの必要性などについて理解を深めていただきました。
全体を通じて、研修受講者からは、研修内容については、概ね「理解できた」と評価していただいておりますが、研修の運営については、会場の設営に関することなど、若干次年度に向けて考慮すべき課題をいただきました。
本研修については、次年度以降も継続して実施していくこととしておりますので、受講者からのアンケート等を参考にさせていただきながら、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部とも連携を図りつつ、各地域における相談支援の充実に資することができるよう、研修内容等の充実に努めてまいりたいと考えております。
日 | 時間 | 内容 | ||
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第1日目 6月27日 (水) |
9:00-9:30 | 受付 | ||
9:30-9:50 | 開講式・オリエンテーション | |||
9:50-10:50 | 障害者自立支援法と最新の動向 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 課長補佐 黒岩 嘉弘 |
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11:05-12:05 | 都道府県研修の実施方法 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 障害福祉専門官 高原 伸幸 |
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13:05-15:05 | 最新の実践報告(退院促進、地域移行) 川越身体障害者センター 副施設長 菊本 圭一 知的障害者更生施設 ライフステージかりがね 所長 小林 彰 特定非営利活動法人 十勝障がい者支援センター 理事長 門屋 充郎 |
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15:20-17:20 | 相談支援のあり方(スーパーバイズ論)
日本福祉大学 社会福祉学部 教授 野中 猛 |
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18:00- | 情報交換会 | |||
第2日目 6月28日 (木) |
9:00-12:00 | 事例分析方法の解説
駒澤大学 文学部 社会学科 社会福祉学専攻 准教授 佐藤 光正 |
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13:00-17:00 | 事例分析の実際(グループワーク演習) グループでの討議(グループリーダー24名、記録者24名、コーディネーター24名) コーディネーター(ケアマネジメント事例) |
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a: |
天野 達 | (社会福祉法人 雄勝福祉会 身体障害者療護施設 愛光園 施設長補佐) | ||
b: |
牛谷 正人 | (社会福祉法人 オープンスペースれがーと 所長) | ||
c: |
門屋 充郎 | (特定非営利活動法人 十勝障がい者支援センター 理事長) | ||
d: |
木下 文夫 | (社会福祉法人 上田明照会 上田市つむぎの家 所長) | ||
e: |
小林 彰 | (知的障害者更生施設 ライフステージかりがね 所長) | ||
f: |
島村 聡 | (那覇市役所 健康福祉部 政策推進主幹) | ||
g: |
末安 民生 | (慶應義塾大学 看護医療学部 准教授) | ||
h: |
鈴木 智敦 | (社会福祉法人 名古屋市総合リハビリテーション事業団名古屋市総合リハビリテーションセンター 第二リハビリテーション部 介護保険科長) |
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i: |
鈴木 ひとみ | (指定相談支援事業所サポートセンターあずさ) | ||
j: |
曽根 直樹 | (東松山市総合福祉エリア 所長) | ||
k: |
田中 正博 | (独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設国立のぞみの園) 法人事務局付 上席調査役事業調整部地域相談支援センター サポートセンターパルやちよ 所長 |
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l: |
谷口 明広 | (愛知淑徳大学 医療福祉学部 福祉貢献学科 教授) | ||
m: |
竹之内 章代 | (東海大学 健康科学部 社会福祉学科 専任講師) | ||
n: |
寺田 一郎 | (社会福祉法人 ワーナーホーム 理事長) | ||
o: |
遅塚 昭彦 | (埼玉県 福祉部 障害者福祉課 主幹) | ||
p: |
戸枝 陽基 | (社会福祉法人 むそう 理事長) | ||
q: |
中島 秀夫 | (滋賀県障害者自立支援協議会 事務局長) | ||
r: |
西尾 雅明 | (東北福祉大学 総合福祉学部 教授) | ||
s: |
福岡 寿 | (社会福祉法人 高水福祉会 北信圏域障害者生活支援センター 所長) | ||
t: |
福富 昌城 | (花園大学 社会福祉学部 社会福祉学科 教授) | ||
u: |
古屋 龍太 | (国立精神・神経センター武蔵野病院 医療社会事業専門員) | ||
v: |
松坂 優 | (特定非営利活動法人 わーかーびぃー 理事長) | ||
w: |
柳沢 享 | (北九州市障害者地域生活支援センター センター長) | ||
x: |
山村 靖彦 | (純真短期大学 講師) | ||
全体: |
野中 猛 | (日本福祉大学 社会福祉学部 教授) | ||
佐藤 光正 | (駒澤大学 文学部 社会学科 社会福祉学専攻 准教授) | |||
コーディネーター(レポート(都道府県職員)) | ||||
a: |
高原 伸幸 | (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 障害福祉専門官) | ||
b: |
清水 剛一 | (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 相談支援専門官) | ||
c: |
石渡 博幸 | (国立身体障害者リハビリテーションセンター職能部職能訓練課 職能指導室長) | ||
第3日目 6月29日 (金) |
9:00-9:30 | 事例分析の実際(総括) 駒澤大学 文学部 社会学科 社会福祉学専攻 准教授 佐藤 光正 |
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9:30-12:00 | 自立支援協議会の運営解説 滋賀県障害者自立支援協議会 事務局長 中島 秀夫 社会福祉法人 高水福祉会 北信圏域障害者生活支援センター 所長 福岡 寿 |
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13:00-15:00 | 自立支援協議会の運営の実際(演習) 各リーダー講師 |
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15:15-15:45 | 自立支援協議会と研修全体に関する総括 日本福祉大学 社会福祉学部 教授 野中 猛 滋賀県障害者自立支援協議会 事務局長 中島 秀夫 社会福祉法人 高水福祉会 北信圏域障害者生活支援センター 所長 福岡 寿 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 障害福祉専門官 高原 伸幸 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 相談支援専門官 清水 剛一 |
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15:45-16:00 | 閉講式 |