〔更生訓練所情報〕
平成19年度社会福祉援助技術現場実習の受入について
更生訓練所指導部指導課 竹花 治美



 平成19年度社会福祉援助技術現場実習が8月20日(月)から始まりました。今年度の受入は9大学1大学院からの学生で合計10人です。リハセンターの社会福祉実習の特徴のひとつとしては、最初の一週間の共通プログラムを経てから、個別の4週間のプログラムが組まれているということです。

 これは、実習で関わる更生訓練所の利用者が、大きな組織内のサービスを活用しているため、まず実習生全員が共通のプログラムを受講することにより、組織の概要を理解する必要があるからです。また、このプログラムを通して、リハセンターが社会福祉に関わる総合的な取り組み方や情報の提供を担っている事も知っていきます。プログラムの構成は17部署からで、研究所、学院、病院、更生訓練所、職業リハビリテーションセンターと全てにわたっています。

 緊張のうちに共通プログラムを終えた学生の声をあげてみると、「リハビリテーションの流れを、利用者の視点として理解し始めることができた。様々な障害状況に対して、支援していく体制があることが分かった。」、「多機能なセンターであることは知っていたが、障害者に関わる施設や医療だけではなく、福祉機器の研究や福祉専門職の養成についても具体的に知ることができた。」等でした。学生それぞれからは、なんとか全体像をつかめた安堵とこれからの個別プロクラムに対する意欲が感じられました。

 個別プログラムは、8月27日(月)から10月13日(土)までの間で、四週間から五週間の連続する週間日程で個別に期間を設定しています。これは、各学校の試験や講義日程に配慮して、学生が各学校での年間計画に支障をきたすことなく、実習に十分に集中して臨めるように日程調整を行ったからです。この間のプログラムは、学生それぞれが大学の教員から指導を受けて作った現場実習の課題やテーマに基づき進められていきますが、この対応は指導部と職能部の生活支援員が、学生それぞれにマンツーマンで対応しながら助言・指導を行っていきます。実践として学生は、支援員の毎日の業務につきながら観察や考察をしつつ支援の仕方を学んでいき、関わる各専門職や担当支援員からのアドバイスや支援の手続き等を意識化するために一日ごとに実習ノートを記していきます。このノートに各担当は正しい理解を得ていくために、意見や指摘事項をコメントしてフィードバックしていきます。学生は日々の実習を経て、障害者自立支援法下での更生訓練所の運営体制や機能を理解し、支援員による利用者の状況に合わせた個別の支援方法を学ぶことにより、他関係機関との連携や各専門職員の役割や機能も具体的に知っていくことになります。

 現在、個別プログラムが始っています。これからの福祉を担っていく学生には、長い実習期間の体調管理をしつつ、福祉現場に貢献していくための収穫を多く得ていく事を期待しています。