〔病院情報〕
病院紹介シリーズ@
「第一機能回復訓練部 理学療法」
病院第一機能回復訓練部理学療法


 理学療法部門は、病院から本館への1階の廊下脇の広いスペースにあります。理学療法は英語の Physical Therapyの頭文字を取って「PT」と呼ばれています。北側に広がる屋外訓練場は、桜をはじめハナミズキ、藤、紫陽花などの花や紅葉、そして数多くの野鳥が見られ、四季の移ろいを楽しませてくれます。仕事をしながらお花見を楽しめるなんて少し自慢です。そんな職場のスタッフは理学療法士が9名、理学療法助手(非常勤職員)が3名の合計12名です。数年の間に若干のスタッフの入れ替わりはありましたが、世の中の流れ以上に高齢化が心配される職場です。その分、ベテランで頼れるスタッフでもありますが。

 理学療法の定義は理学療法士及び作業療法士法に「理学療法とは、身体に障害のある者に対して、主としてその基本的な動作能力の回復を図るため、治療体操、その他、運動を行わせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱、その他の物理的手段を加えることをいう。」とあります。こちらの病院では、脳血管障害、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脊髄・脊椎疾患、四肢の切断の患者さまが多くをしめております。また、その他の疾患としては、神経疾患、変性疾患などの患者さまが対象となっています。

 具体的にはどんなことを行っているのか?

 運動療法では、筋力・関節可動域・バランス能力の改善などを通して、損傷・障害の回復や残存運動能力の向上などをはかります。そして、日常生活活動(ADL)の基礎となる動作の獲得をめざします。物理療法では、温熱・水治・光線・電気療法などにより、痛みの緩和や循環の改善などをはかります。また、障害を補う装具・義足等の適合調整、車いすをはじめとする福祉機器との適合調整、取得への援助・指導や、介助者への介助方法指導、退院後の生活に必要な助言・指導などを行います。これには褥瘡予防指導も入ります。

 後遺障害によって方法や過程はことなりますが、各障害に応じた改善や自立度の向上のために、理学療法の実施にあたっては、身体的・社会的状況などを適確に把握し、それぞれの患者さまに必要な治療・指導等を行っています。

 理学療法室は、左側にある大きなトレッドミル、右奥にある半切の自動車(実はこれは自動車への乗り移り等の練習用です)が目印です。集英社刊 井上 雄彦著「リアル」第5巻、P177〜P187を見たことがありますか。実はこの場面はここがモデルです。登場人物に見覚えのある人が歩いているかもしれません。