〔病院情報〕
病院紹介シリーズA「2階病棟」
病院看護部



 2階病棟は、リハビリテーション科、神経内科、眼科(ロービジョンクリニック)の病棟です。リハビリテーション科では、主に脊髄損傷や切断の患者さま、神経内科では、脳梗塞、脳出血の患者さまが入院されています。

 2階病棟の1日の様子を、紹介します。

 訓練中心の病棟であるため、午前9時からの訓練への出棟時間になると、活気づきます。患者さまは個々の訓練プログラムにそって、OT、PT、リハ体育、STなどの訓練に出られます。また、社会復帰のための自動車訓練などへ出る方もいらっしゃいます。

 午前中、病棟内では医療処置や、看護師による排泄の介助、生活の場での訓練として、ベッドから車椅子への移乗訓練・自己導尿訓練・トイレでの排便訓練・更衣訓練など、個々の目標に沿って、介助や訓練を行っています。

 午前中の訓練が終わると昼食です。ほとんどの患者さまは車椅子に乗車し、食堂で召し上がります。丸テーブルを囲み、テレビをつけ患者さまにとっては、訓練の合間のホッとする時間です。看護師は、患者さまの状況により、食事がご自分で召し上がれるように自助具の装着や、召し上がりやすい位置に食器を並べ替えるなどの介助を行います。また、必要に応じて、食事がスムーズに食べられるように声かけなどもしています。ロービジョンクリニックの患者さまには、メニューの内容やお膳の上に何が何処の位置にあるなどの説明をします。

 午後からの訓練は13時から始まり、プログラムに沿って行われ、16時にはほとんどの訓練が終了します。患者さまは病棟へ戻り、車椅子からベッドへの移乗訓練をする方、自己導尿の訓練をする方や、介助を受けてベッドへ上がる方、デイルームでテレビを見たり、患者さま同士でおしゃべりをしたりなど、過ごし方は様々です。

 18時の夕食の後は、デイルームから笑い声が響くこともあり、何人かで楽しそうにおしゃべりをしている様子なども見うけられ、それぞれが思い思いに自分の時間を過ごします。

 21時は消灯時間です。患者さまは全員ベッドへ戻り、病室内の天井灯は消され、枕もとの灯りのみになります。早めに休まれる方や、22時の完全消灯まで、テレビを見たり、読書などをして過ごされています。夜間は褥瘡予防のため、時間的な体位変換や、深夜の2時頃に起きて自己導尿をする方などもいらっしゃいます。また、なかなか眠ることが出来ず、不眠を訴える方や、体調不良がある場合などは、そのつど看護師が対応しています。

 看護師の役割としては、健康管理はもとより、ADL拡大への援助として、一つでも多くのADLが修得できるように、環境を整え、患者さまと一緒になって考え工夫していきます。いきづまったときには共に悩み、出来たときには喜びを共有します。ADLの修得は時間もかかり、やる気・根気・体調を良い状態に保つことが訓練の進捗に影響を与えます。患者さまは時に体調の悪いことや、気持ちの面で落ち込んで訓練にのらないこともあるので、看護師は体調の管理、精神面のサポートが出来るように患者さまの様子に気を配っています。また、患者さまを支えるご家族に対しても、障害についての知識・介助技術等の情報提供や、指導を行います。退院後は自宅に戻られる方、職場復帰される方などさまざまです。看護師は退院後の生活に合わせ、導尿や排便の時間をコントロールするなど、退院後の生活に支障がないように援助を行っています。

 獲得した技術が生活に応用できるような支援、また快適な入院生活を送っていただけるような看護をめざし、日々努力をしております。