〔研究所情報〕

国際福祉機器展2007

−『移動』に挑戦する−の出展を終えて

研究所運動機能系障害研究部 研究員 新妻 淳子



 平成19年10月3日(水)から5日(金)にかけて、第34回国際福祉機器展2007(H.C.R.2007)が東京ビッグサイト(有明)にて開催され、来場者は延べ128,171人を数えました。この展示会にセンター研究所として出展し、盛会のうちに無事終了することができました。出展準備にあたって沢山の方にご助力を賜りましたこと、会場ブースにお立ち寄りくださった皆様に、厚く御礼申し上げます。

 研究所として、今回の出展は連続して13回目にあたります。今年は「『移動』に挑戦する」をテーマといたしました。歩けない…という現実に対して、@今日、安全に移動するために、A道具や訓練によって歩行を再獲得する日のために、私達のリハセンターがどんな挑戦を続けているかを、みていただくような企画といたしました。実際の展示内容としては、@ロボットを使った歩行トレーニング装置、A脊髄再生の概念図、Bモーター駆動型股義足、C義足製作紹介、D褥瘡再発を予防するシーティング・クリニック紹介を集約しました。また配布したパンフレットでは、展示内容以外の「移動」への挑戦方法を列記し、センターの取り組みの広がりを感じていただけるように、工夫いたしました。

 会場ブースには、3日間にわたり多数の方にご来場いただき、約2千枚のパンフレットをお渡しいたしました。実際に支援を求める人の正直な声や、障害をもつ方の自立支援に対する厚生行政に対する熱い期待やお叱りの声を、今年も沢山お伺いいたしました。

 最も印象的だった声をご紹介いたします。

 「歩けないとわかったときに、社会から見捨てられたように思ったけど、国の研究所がこんなにいろいろ考えてくれているんだと思ったら、今日は嬉しくなりました。」

 来場者に握手を求められたときに、私達のリハセンターが社会に対して果たす役割の重さを考えることとなりました。

 今回は、「移動」に挑戦するという意味で、多種類の選択肢があることを提示する手法をとって出展いたしました。運動機能の改善が障害をもつ方の選択肢を増やし、社会参加とQOLを促進する一助となることを、来場者に伝えることができたら、幸いとおもっております。来年度はまた違う切り口で、私達のセンターの持つリソースを来場者に提示し、新しい提案がなされることになると思います。そうすることで障害の有無に選択肢が制限されない社会をつくっていくサポートをしていきたいと願っています。


 

 国際福祉機器展 公式web http://www.hcr.or.jp

 展示パンフレットをご希望の方は、研究所事務室にご照会ください。



会場風景
会場風景(来場者に説明する国リハスタッフ(オレンジのジャンパーを着用しています))




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