〔更生訓練所情報〕

職場体験訓練(模擬職場)の充実にむけて

−『第1就労支援室』完成−

更生訓練所 職能部


 更生訓練所は、昨年10月から指定障害者支援施設として、新たに就労移行支援サービスを開始して1年が経過しました。この就労移行支援は、就労を希望する利用者に対して様々な訓練を有機的に組み合わせてサービスを提供し、社会生活上必要な能力と作業能力や技能の習得により、就労に結びつけることを目的としています。その中での「職場体験訓練」は、できる限り実際の職場に近い環境を設定して、働くための力(社会人としてのマナーや職業人としての自覚、対人対応技能等)を身に付けるための訓練プログラムとして位置付けています。

 この度、職場体験訓練の環境整備を行い訓練の更なる充実を図るため職能部第1ワーク北側部分を増改築して約半年間の工事期間を経て、11月初旬に「第1就労支援室」が完成しました。これまで、発送作業・印刷機の用紙確認や補充・シュレッダーのごみ捨て、清掃・ネーム彫刻・給食サービス・郵便の仕分け配達・物品管理等といった作業はそれぞれ他の部屋を借用して実施してきました。今回完成した第1就労支援室は、これらすべての作業が行うことができるキーステーションとしての機能を持つことができるようになりました。

 設備的にはなるべく一つの部屋に職場の機能が網羅できるように出退勤管理のためのタイムカード機、ユニフォームに着替えるための個人用のロッカー、また、直接外部の方(例えば業者や職員以外のお客様)とのやり取りを行うためのパソコン(インターネット)、外線電話、ファクシミリ、印刷用のコピー機などの機器等やお客様との応接スペースも準備しました。さらに、湯茶の接客練習のための給湯室を設け車椅子を利用する方も使用できるシンクも設置しています。

 ところで利用者の中には職業技能(技術習得や資格取得)に偏重する傾向の方も多くいます。実際の職場では、職業技能はもちろんのこと、それ以上に会社から必要とされる人柄や職場での対人技能が重要であります。折角、就職したとしても「人間関係」で離職される方もいます。職場体験訓練では、働くための力、働けるための力、働き続けられるための力というものが何であるのかを、実際の様々な作業を行うことで体験し考え、職場での人間関係を築いていける力を身につけることを一番のねらいとしています。


(写真1)第1就労支援室入り口

【職場体験訓練の目的】

@社会・職場のルールを学びます。

A受注から納品までの仕事の流れを学びます。

B作業を遂行するための方法を学びます。

C共同作業・チームワークについて学びます。

D職業人としての社会生活上必要な諸能力を学びます。

詳しくは、昨年の国リハニュース12月号をご参照ください。


(写真2)出勤
出勤
(出勤したらユニフォームのエプロンに着替えてタイムカードを押します。)

(写真3)発送用の封筒つくり及び封入封緘作業
発送用の封筒つくり及び封入封緘作業
(決められた期限内に出来るようにします。国リハニュースの発送も行います。)

(写真4)応接スペースでの接客
応接スペースでの接客
(お客様へのお茶だし等を行います。)

(写真5)コピー・FAX機
コピー・FAX機
(職場の必需品であるコピー・FAXの様々な機能操作を行います。)

(写真6)給食サービス業務班
給食サービス業務班
(弁当の注文数の集計や請求書の作成、集金まで責任を持って行います。)

(写真7)外線電話による業者との応対
外線電話による業者との応対
(電話の応対練習をして実践として行います。)