〔卒業生訪問シリーズ〕
当センター学院言語聴覚学科卒業生の就職先を訪問して
管理部企画課



 当センター学院言語聴覚学科を卒業し、社会福祉法人鶴風会東京小児療育病院にお勤めの竹村直子様(平成17年3月卒)と松崎恵吏様(平成18年3月卒)にインタビューしましたのでご紹介いたします。

言語聴覚士を目指すことになったきっかけ
 このたびは、突然の依頼にもかかわらず快くインタビューに応じていただきまして、ありがとうございます。まず、自己紹介をお願いできますか?言語聴覚士を目指すことになったきっかけなどについてお聞かせ下さい。
  竹村 −竹村直子です。平成17年3月に学院を卒業しました。私の場合、幼い頃から、人のこころや脳のはたらきに興味があり、大学では心理学を専攻しました。人と関わる仕事に就きたかったので、そのまま流れで心理職に・・・と思っていました。そんな中、祖父の失語症がきっかけでSTという仕事を知り、自分の興味と重なる分野だったので目指すことにしました。
  松崎 −平成18年3月に卒業した松崎恵吏です。私の場合、異文化交流や自閉症の方の支援に携わったりした経験から、コミュニケーションに困難さを持つ方の支援に携わりたいと思い、言語聴覚士を目指しました。
     
当センター言語聴覚学科を志望した動機
- 竹村さんも松崎さんも、ご自身なりの体験があり、言語聴覚士を目指すことになったのですね。ところで数ある言語聴覚士養成学校の中から、当センターの言語聴覚学科を志望した動機を教えていただけますか。
  竹村 −第一線で活躍されている先生方から直接指導してもらえると思ったからです。学費や寮費が良心的なのも魅力でした。
  松崎 −言語聴覚士の学校として歴史もあり、充実したカリキュラムを受けられると思ったからです。また、学費なども魅力でした。
     
言語聴覚学科に入っての印象
- 実際に言語聴覚学科に入ってどんな印象を持ちましたか?
  竹村 −クラス30人の目標が同じだったので、団結しやすく、アットホームな雰囲気でした。係活動やセンター全体の運動会、懇親会などが独特で、はじめは驚きました。
  松崎 −同期には、色々な経歴の人がいて面白そうだと思いました。
     
学院での生活
- 学院で過ごした2年間の勉強の中で、大変だったことはありましたか?
  竹村 −当時はなにもかも大変だったように思いますね。特に実習中は、準備からまとめまで、毎日があっという間に過ぎていきました。
  松崎 −すべてがあっという間で、噛み砕いて考える前に終わってしまった印象があります。特に大変だけど有意義だったのは、グループでの話し合いが多かったことだと思います。
     
- 勉強や実習で忙しい毎日だったようですね。学院での生活を振り返って特に印象に残った思い出は何かありますか?
  竹村 −毎月クラスや寮でイベントを計画していたのが楽しかったです。カレーパーティ、餃子パーティ、手巻き寿司パーティ・・・食べてばかりですが(笑)・・・日頃の疲れがかなり発散できていました。
  松崎 −実習で初めて現場を見たり、患者さんとST(の学生)として接したことが特に印象に残っています。
     
- 学院生活の中で思い残したことは何かありますか?
  竹村 −豪華な講師陣の講義に、自分が臨床をすることを想定しながら、もっと主体的に参加すれば良かったと今さらながら思います。また、学院という狭い世界だけでなく、外の活動にも積極的に参加して、視野を広げておけばよかったと思っています。
  松崎 −豪華な先生方が講義にいらしてくださっていたので、もっと積極的にお話しを伺えばよかったと思います。
     
今の仕事について
- お二人は今、どんな仕事をされているのですか?
  竹村 −外来では、主に自閉症スペクトラムのお子さんや精神発達遅滞、構音障害のお子さんを対象に言語・コミュニケーション指導をしています。他職種とケースについて話し合ったり、保育園や幼稚園へ支援に行くこともあります。また、病棟では脳性麻痺の成人の方のグループ指導やAAC導入をしています。
  松崎 −様々な理由から言葉やコミュニケーション、読み書きなどに困難さを持つお子さん(0歳から学齢期まで)に対する言語・コミュニケーション指導を行っています。
     
- 今の病院を選んだのは何故ですか?
  竹村 −幅広い疾患の小児を対象に臨床をしたかったので。
  松崎 −色々な年齢の色々な障がいのお子さんと関われると思ったためです。
     
- 仕事をする中でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
  竹村 −保護者の方からの信頼を得られ、指導内容を家庭でも実践してもらい、お子さんの良い変化がみられたときですね。
  松崎 −ご本人が伸びてきたりご家族や周囲の対応や理解が進み、ご本人やご家族が安定して、良い方に変わってきたときです。
     
- 仕事をする上で苦労していること、特に気をつけていることなどがありましたらお聞かせ下さい。
  竹村 −健康管理に気をつけています。臨床にかなり反映されるので。
  松崎 −お子さんの周囲にいる方々の理解や対応などを含めた環境調整がもっとも必要かつ難しいことだと感じています。また、親御さんの状態に合わせた話の伝え方などは気をつけています。
     
- 息抜き(リフレッシュ)はどのように?
  竹村 −家と職場の距離を適度に保ち、移動時間の間に気持ちを切りかえられるようにしています。アフター5や休日は趣味や遊びに打ち込んで、気分転換を図っています。
  松崎 −仕事の合間の息抜きは、同期とのおしゃべりです。休みの日は、勉強会などがあることも多いですが、何もなければ趣味や遊びなど、仕事から少し離れて休む時間を確保するようにしています。
     
- 仕事での今後の目標などをお聞かせ下さい。
  竹村 −具体的な目標の一つとして、受け入れ先の少ない高機能自閉症のお子さんの臨床をもっと積み重ねていきたいと思っています。また、根拠のある臨床をして、結果を出し、形にまとめるのが長期的な目標です。
  松崎 −まだまだ、本当に一人ひとりの患者さんとその家族に合った支援が出来ているか日々悩みながら取り組んでいます。一人ひとりの患者さんに対して、広い視点で本当に必要な支援を提供できるよう、これからも勉強していきたいと思っています。
     
後輩へのメッセージ
- 最後に後輩へのメッセージをお願いします。
  竹村 −どんな臨床家になりたいのか、具体的な目標を定めると現場に出たとき動きやすいと思います。環境が整っている2年間に思いきり勉強して、思いきり遊んでください。
  松崎 −振り返ると、学院は、STとしての基礎的な知識を得るとともに、臨床に出てからどう自分で学んでいくか、どう臨床に望むかなどを学ぶ場だったと感じます。勉強や実習などお忙しいでしょうが、ほどよく息抜きをしながらがんばってください。

 

(写真1)東京小児療育病院 (写真2)左が竹村さん、右が松崎さん
(東京小児療育病院)
(左が竹村さん、右が松崎さん)




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