〔国際協力情報〕
海外研修員紹介
管理部企画課


 当センターで6月から7月に義肢装具に関する研修を行った、タイの研修員をご紹介いたします。約1ヶ月半の滞在では、当センターの他に兵庫県立総合リハビリテーションセンターでも研修をさせていただきました。研修では、義肢装具に係る過程として、患者さんの義肢を装着しての訓練や、ブレイスクリニック等を学びました。
 以下は、研修員による自己紹介です。


(写真1)自己紹介:ヌソーン・チャイプロン氏


 私の名前は、ヌソーン・チャイプロンと申します。アジアの南に位置するタイの首都バンコクから参りました。
 私は34歳、独身です。タイの北部のピサノロウ地方の出身で、17歳の時に勉強のためにバンコクに移り、現在に至っています。
バンコクのプラモンクラオ陸軍医科大学を卒業し、同病院で整形外科の研修を受けました。その後、ナコナヨクという地方の陸軍病院で整形外科医として4年間働きました。
 2007年7月以降は、プラモンクラオ陸軍医科大学病院の整形外科に勤務しています。この病院はタイ最大の陸軍病院で、タイ国中の陸軍病院の指導センターです。陸軍病院とはいえ、一般の患者さんの治療もします。ベッド数は1500で、全ての診療科を有しています。医科大学では、1年間に100人の新入医学生と150人のレジデントの教育を行っています(従軍医と一般医師の両方を育成しています)。

 

(写真2)プラモンクラオ陸軍医科大学病院外観 (写真:プラモンクラオ陸軍医科大学病院外観)

 

 私が勤務する整形外科は30人の医師と30人のレジデント(グレード2〜4)(グレード1は一般外科で研修します)をかかえています。対象としている分野は、関節、マイクロサージェリー、外傷、腫瘍、スポーツ整形外科、足部・足首、代謝性骨疾患、脊椎、小児整形、義肢装具、リハビリテーションです。また、いくつかの分野ではフェローシッププログラムを持っています。
 整形外科では毎日400人の外来患者さんの治療を行い、30件の手術を行っています。この中で、私は義肢装具製作部門の責任者をしています。この部門には3人の医師と15人の義肢装具技術者が働いています。義手、義足、上・下肢装具、脊椎装具、整形靴、インソール等を製作し、整形外科をサポートしています。また、地方への訪問サービスも行っています。患者さんは、1日20〜30人来ます。義肢、装具、整形靴、インソールの出来上がりには、平均1〜3週間かかります。
 私の趣味は、音楽を聴いたり、コンサートに行ったり、テレビや映画を観ることです。サッカーやスキューバダイビングも好きです。外国の友人には、タオ島のコ・タオやシミラン&サリン島でのダイブを薦めています。タイでのダイビングは格安にできますし、なんと言っても、海中はとてもすばらしい世界です。
 私はこれまでに3〜4回来日したことがありますが、観光のための短期間の滞在でした。日本で好きな場所は、東京、京都、大阪、神戸、横浜、富士山ですが、最も好きなのは日光です。
 今回の滞在が、最も長い期間になります。研修スケジュールは良く計画されていて、国立リハセンターの先生方は質の高い知識と経験を有していますし、国際協力のスタッフは大変親切です。また、宿舎はインターネットにつなげないことを除いては、大変快適に過ごせます。
 国立リハセンターは、良く組織化され、すばらしい環境にある施設です。障害のある人々にとって、とても頼りになるセンターです。国立リハセンターで研修したことを自分の国に持ち帰りたいと思います。
 今回、自己紹介する機会をいただき感謝いたします。

Dr. Nusorn Chaiphrom
タイ国プロモンクラオ陸軍医科大学病院
整形外科医師、義肢装具部門長