〔研究所情報〕
研究所一般公開「オープンハウス」開催報告
補装具製作部 佐々木一彦


 

 2008年12月5日(金)に、国リハ研究所の7部門すべてが研究成果を一般に公開する、研究所オープンハウスがリハ研究棟で開催されました。オープンハウスは諏訪研究所長の宣言のもと、毎年、障害者週間の金曜日に開催することとなっており、本年で3回目を迎えました。
 この研究所オープンハウスは、多くの方々に国立研究所の取り組みと役割についてご理解いただき、いろいろな方々からのいろいろなご意見を研究に反映することで、よりよいリハビリテーションの推進につなげていくことを目的としております。
 オープンハウスの過去2年間の来場者の客層としては関連機関やリハ関係者の参加者が多かったのですが、今年は一般の地域住民にまでターゲットを広げ、地域広報やインターネット・メールでの情報発信に力をいれました。その甲斐あって、専門職だけでなく、地域住民にも多数ご来場いただき、最終的な来場者は155名と、昨年に比べ2倍以上の方にご来場いただけました。
 今回ご来場いただいた客層ですが、パンフレットを配布する際にアンケートにご協力いただき、40名分のアンケート結果を回収できましたので紹介いたします。
 来場者の客層は、下の円グラフからわかるように学生や医療福祉関係の方が多かったのですが、その他の方が半数以上を占めていました。その他の方の内訳は地域在住の方や主婦がほとんどで、自営業の方やメーカーの方も含まれておりました(図1)。年齢層では20〜40代の方が約半数を占めており、オープンハウス開催の情報は広報誌やホームページで知った方が約半数を占めておりました(図2,図3)。来場者の感想では「良かった」と回答した方が約9割をしめておりました(図4)。

 

 

図1 来場者の職種 図2 来場者の年齢 図3 オープンハウスの情報を何で知りましたか 図4 オープンハウスの感想

 

 来場者の印象に残った展示としては、客層により大別でき、研究職者や学生ではBCI(脳コンピューターインターフェース,図5)や脊髄損傷者の歩行再建の研究(図6)、モーター駆動型義足(図7)に人気がありました。地域在住の方や主婦の方たちには、筋電義手の体験(図8)や認知症の人の福祉機器展示館のパロ(図9)の人気が高かったと思われます。今回のご来場を逃した方は、ホームページから今回の展示内容の詳細をご覧いただくことができます。以下のURLをご参照ください(http://www.rehab.go.jp/ri/event/2008openhouse.html)。
 平成21年度のオープンハウスはさらに研究に磨きをかけることはもちろん、来場される皆様にわかりやすい説明とわかりやすいご案内に力を入れさせていただく所存でございます。平成21年度の研究所オープンハウスをご期待ください。

 

(写真1) BCI研究の取り組みを説明している様子
図5 BCI研究の取り組みを説明している様子
(写真2)脊髄損傷者の歩行再建の研究
図6 脊髄損傷者の歩行再建の研究
(写真3)モーター駆動型義足の開発
図7 モーター駆動型義足の開発
(写真4)筋電義手の体験の様子
図8 筋電義手の体験の様子
(写真5)認知症の人の福祉機器展示館(写真6)心理セラピー用アザラシロボット「パロ」

図9 認知症の人の福祉機器展示館と 心理セラピー用アザラシロボット「パロ」