〔国際協力情報〕
帰国研修員レポート
管理部企画課



今回の帰国研修員の紹介は、平成16年にJICAの補装具製作技術研修員として義肢装具の製作技術研修に参加したアフリカ西部のセネガル共和国のジョフ・アルイズさんです。

 

Mr. Diouf Alouis (ジョフ アルイズ)

(地図)ダカール

 

 私は、セネガルのアルイズです。まず私の国を簡単に紹介します。セネガルはアフリカ西部に位置し、西側は大西洋に面し、隣国はモーリタニア・イスラム共和国、マリ共和国、ギニア共和国、ギニアビサウ共和国があります。人口は約1,000万人で、首都ダカールは“ダカール・ラリー”で皆さんもご存知でしょう。気候は2つの季節があり、今は乾季です。6月から10月までが雨季です。気温は18度から40度まで差があります。
 私は、平成16年8月から12月までの間、国立リハセンターでJICAの義肢装具製作技術研修に参加しました。セネガルに帰国してからも、以前から所属しているセネガル国立義肢装具センター(CNAO)で働いています。CNAOはセネガルの保健省の機関です。研修を受けていた頃は義肢装具の製作技術者として仕事をしていましたが、現在は義肢装具製作部門の管理にも従事しています。また、セネガル義肢装具協会(ATOS)の会長にも就任しました。
 我々のセンターでは、毎月約15の義肢と20の装具を製作していますが、製作に使う樹脂が高価である事が問題です。患者さんは樹脂を使った義肢を購入する資金を持っていません。大腿義足に使う膝や足部部品はヨーロッパから輸入するため、これも非常に高価につきます。そこで、我々は自分達のセンターで作った膝の部品を使用しています。一方、下腿義足はポリプロピレンを使用して製作します。
 センターには義足が必要な大勢の患者さんが来ますが、患者さんの中で最も多いのは糖尿病による切断の方達です。切断術があまり良くない患者さんだと、色々な問題が生じます。

 私の現在の活動を写真で紹介します。
 ここに写っている女性は、セネガルでたった一人の女性義肢装具技術者です。

 

(写真1)セネガルでたった一人の女性義肢装具技術者

 

 また、我々は、町に来る事ができない患者さんのために、村を訪問して義肢装具を製作しています。彼らは新しい義肢装具を購入する資金を持っていないのです。

(写真2)村を訪問して義肢装具を製作中1 (写真3)村を訪問して義肢装具を製作中2

 

 また、CNAOには様々な状態の患者さんが来て、我々の仕事は大変忙しいです。私自身は、昨年エチオピアで開催された国際赤十字の研修に参加しました。
 さて、私が会長をしているセネガル義肢装具協会では、毎年義肢装具に関するセミナーを開催しています。しかし、財政が厳しいため、セミナーの開催資金を探しています。昨年は、フランスから援助をしてもらいました。どうぞ、ATOSのホームぺージをご覧いただき、メッセージを下さい。 http://www.e-monsite.com/atosenegal

 

(写真4)セネガル義肢装具協会における義肢装具に関するセミナーの様子