〔学院情報〕
平成20年度学院卒業式
学院事務室



 ひなまつりの3月3日(火曜日)10時から、当センター学院講堂において、平成20年度学院卒業式を開催しました。式は厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課 施設管理室 堤 裕俊 室長補佐を始め、多数のご来賓や当センターの幹部職員のご参列をいただいて、おごそかな雰囲気の中、始まりました。
 まず、岩谷総長より卒業生59名の一人一人に対し卒業証書の授与がありました。卒業生達は自分の名前が呼ばれると緊張の面持ちで壇上にあがり、卒業証書を受け取っていました。その表情からは、2年間あるいは3年間の課程を無事に終えたことに対する誇らしさや喜びがうかがえました。
 中島学院長の式辞では、卒業生ひとりひとりが優れた特質をもっており、卒業生を一言で表すなら「多士済々」である、と述べられました。また、医療・福祉の現場に立つにあたっては、翻って自分をよく見つめ、自分の特質をよく活かすことで、専門職としての技量の幅を増してほしい、と励まされました。それから、卒業生の巣立ちにあたり、次のような約束をされました。「学院の卒業生が社会に出て、同窓生があちらこちらにいることに気付きましょうし、国立障害者リハビリテーションセンターの名前に触れることも多いことと思います。そして何よりも心強く感じるとすれば、学院がこれからも発展し、母校として誇るに足る存在であることに尽きると思います。後に残る教官、職員ともども今後の奮闘努力により、誇るに足る学院として続けられるようにすることを約束したいと思います。」
 最後に「今日卒業する諸君にとって学院は、明日以降も母校であります。」と式辞を結ばれました。 
 中島学院長の式辞のあと、前記の堤室長補佐が厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長の祝辞を代読されました。祝辞の中では、既に卒業された多くの諸先輩達に続き、地域社会で信頼される専門職として、常に支援を必要とされる方の目線に立って一層の研鑽を重ねられ、障害保健福祉の第一人者としてご活躍されることを期待しております、とはなむけの言葉が述べられていました。
  その後、当センター岩谷総長から祝辞をいただきました。総長は祝辞の中で、卒業生が皆よい専門職となり社会に貢献していくことを願います、と述べられました。そして、「専門性を活かすために、何をすべきか、何をしてはならないか、したほうがよいかしないほうがよいかを判断する規範が必要であり、皆さんには、人のため、社会のためにを常に考え真剣に迷うprofessionalになっていただきたい」と述べられました。
 引き続き、来賓紹介及び祝電披露が行われた後、手話通訳学科1年の大迫みどりさんと伊藤聖子さんが、卒業生を送る言葉として「これから進んでいく道には大きな壁が立ちふさがることがあるかもしれませんが、その時は学院での経験を礎に乗り越え、目標に向かって歩まれていくことを期待します。そしてその道のリーダーとして後に続く私たちの目標となってください。」と述べました。
 これを受けて、言語聴覚学科2年の岡野由実さんが卒業生を代表し別れの言葉を述べました。(この内容は文末に全文掲載させていただきます。)
  最後に言語聴覚学科1年 木下亜耶子さんのピアノ伴奏により、全員で蛍の光を斉唱し、閉式のことばで式を終えました。あでやかな振袖姿やはかま姿の卒業生も散見されるなど、おごそかな中にも華やかさが印象に残る卒業式でした。
 卒業式に引き続き学院6階の大研修室で行われた謝恩会では、リハビリテーション体育学科の学生による華麗な踊りや勇壮な太鼓のアトラクションが披露されるなどして、一同、和気靄々の楽しいひとときを共有することができました。卒業生皆様方がそれぞれの進路において、今後、益々ご活躍されますよう祈念します。

 


別れのことば



 桃の花も美しく咲きほころび、また新しい旅立ちの春がやってきました。本日、私たち卒業生59名は新たな決意を胸に学院を卒業します。
 晴れてこの日を迎えることができましたのも、岩谷総長をはじめ、中島学院長、各学科の諸先生方、外部・内部の講師の先生方、当センターの職員の皆様、そしてこれまで出会った数多くの方々の温かいご指導ご支援のお陰です。卒業生一同、厚く御礼申し上げます。
 期待と不安を胸に、今日と同じ椅子に座り入学式に参列していた日が昨日のことのように思います。この学院で過ごした日々は、常に全力で駆け抜けたような2年間で、今までの人生の中で最も濃密な2年間でもありました。
 学院の講義や実習では、専門的な知識や技術を学び、数多くの貴重な体験をさせていただきました。特に実習では、知識や技術だけでなく、相手の気持ちを思いやる温かい心と専門家としての冷静な視点など、臨床家としてのあるべき姿を学ぶことが出来たように思います。濃密なカリキュラムの中、怒涛のような課題に追われ、自分は果たして臨床家としての資質はあるのだろうかと思い悩む日もありました。実習では患者様を目の前に、自分の未熟さを痛感し、涙した日もありました。しかし、挫けそうになった時には、いつでも先生方が温かい言葉をかけてくださいました。私が自分自身に自信が持てなくなった時、進路について頭を悩ませていた時、一緒に悩み、励ましてくださいました。先生方がいつも背中を押してくださったからこそ、今の自分があるのだと思います。本当にありがとうございました。
 そして、この学院生活の中では、かけがえのない仲間たちに出会うことができました。時に議論を交し、ぶつかることもありました。1人の力では出来ないことも、皆の力を合わせれば出来るということを知りました。年齢も今まで歩んできた道も全く異なるクラスメイトたちが、1つの目標に向かい、共に学び、共に悩み、共に笑い合い、共に励まし合って頑張った日々は一生の宝物となることと思います。
 また、球技大会や学科交流会、並木祭などで、他学科との交流を持つことができ、同じリハビリテーションに対しての、また違った視点を知る良い機会となり、楽しい思い出と良い刺激をお互いに得ることができました。
 明日から私たちは、それぞれの道を歩み始めます。夢の舞台への第一歩に期待を膨らませる反面、初めての環境に不安な気持ちでいっぱいですが、この学院の卒業生であることを誇りに、学院で学んだ臨床家としての心を大切に、精一杯頑張っていきたいと思います。まだまだ経験も技術も未熟な私たちですが、いつも努力を惜しまず、日々成長していきたいと思いますので、今後とも諸先生方や多くの皆様の、変わらぬ御指導、御鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
 在校生の皆さん、短い間でしたが、一緒にたくさんの思い出を作れたこと、とても嬉しく思います。いつの日か同じ現場で働く同志として再会できる日を楽しみにしています。
 最後に、学院の益々のご発展と、本日ご臨席賜りました皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げ、別れのことばとさせていただきます。


平成21年3月3日
卒業生代表
言語聴覚学科  岡野 由実

 

(写真)学院卒業式




前頁を読む   目次へ戻る   次頁を読む