〔更生訓練所情報〕
第1回臨床研修講座開催報告
理療教育課 谷口 勝


1 はじめに
 去る6月21日(日曜日)13時から17時まで、当センター更生訓練所内の臨床実習室において、今年度第1回目の臨床研修講座が開催されました。本講座は理療教育・就労支援部理療教育課の卒後職場定着支援の一環として、当センター理療教育課程を卒業・修了して5年以内の方々を対象に、理療技術の向上を図る目的で開催している研修講座であります。
 当日は朝から雨が降る悪天候にも関わらず、20名の卒業・修了生にお集まりいただき、有意義な講座を開催することができましたので、ここにご報告いたします。

2 研修内容
 昨年10月、本講座の充実を図ることを目的に、卒業・修了生の皆様にアンケートのご協力をいただき、本講座の実施方法について調査した結果、開催時期については春と秋の日曜日、内容については臨床経験豊富な外部講師を招き、即戦力となる内容の講座を希望される声が数多く寄せられました。
 このことを踏まえ、今年度の第1回講座では、講師として亀野鍼灸整骨院院長の亀野真吾氏(鍼灸師・柔道整復師)をお招きし、テーマとして、「あなたの治療に柔道整復のテクニックを加えてみませんか? 〜テーピング法の初歩から鍼灸実技まで〜」を掲げ、様々な形態で就労されている皆さんが、日々の理療臨床の場面で即戦力として応用できるテーピングの技法について、主に実技を中心とした講座を開きました。
 今回は、理療(あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅう)とは一風変わったテーピング技法の研修を設定したことから、亀野先生には敢えて研修会のスキームを立てることをせず、参加者のニーズに応じてその場で対応していただき、テーピング技法が理療においても広く活用できることを実際の実技形式でお示しいただきました。
 熱気あふれる会場の中、参加者からは日々の臨床場面で対応に苦慮されているケースについて、多くの質問が活発に出されました。亀野先生には個々のケースへの対応について実技を交えながら懇切丁寧にご指導いただき、有意義な研修にすることができました。

3 参加者からのご意見、ご感想
 講座終了後、今回の講座について参加者にご協力いただいたアンケートを紹介させていただきます。
 「今までテーピングを習ったことがないので、非常に良い講座でした」
 「明日から臨床で使えそうな内容でした」
 「テーピングに初めて興味がもてた」
 「非常に勉強になりよかった」
 「大変参考になり、有意義だった」
 「参考になったが、活かせる場がない」
 「仕事自体には使いませんが、役に立ちました」
 「本で見ても理解できないことが、実際にやってみて良く解りました」
 「機会があれば患者に試してみたい」
 「基本的でわかりやすかった」

4 おわりに
 今回はテーピング法を中心に講座を開催しました。当初は他分野の講師をお招きすることに対して多少の抵抗感がありましたが、治療の幅を広げるという意味では非常に意味があるものと考えテーマを設定いたしました。
 講座を終え、参加者の声から振り返ってみますと、興味があるが良く解らないという分野について研修を行うことは、非常に有意義であったと思います。
 秋には第2回・第3回の講座を開催する予定としておりますが、今回ご参加いただいた方々からは、「奇経治療について学びたい」、「経筋療法について学びたい」、「鍼灸治療を重点に治療法を学びたい」、といった鍼の実技に関する要望と、「浪越指圧療法を学びたい」、「マッサージ講座も開催してほしい」、「あんま手技をやってほしい」、「実践的なあん摩技法についての講習を希望」、といった手技に関する実践についての要望がありました。このことから、秋の開催では手技に関するテーマと鍼に関するテーマを企画したいと考えております。
 今後も参加いただく皆様にご満足いただけるよう、実践的な内容で講習会を企画して参りたいと存じます。