〔学院情報〕
平成21年度学院オープンキャンパス開催される
学院事務室


 去る8月1日(土曜日)の午後1時から、学院養成研修棟及び義肢装具士養成棟において「オープンキャンパス」を開催しました。オープンキャンパスは、当学院の受験を希望される皆さんに、授業の内容紹介や在学生との対話を通して、学院についての理解を深めていただくためのイベントです。昨年度から始めた取り組みですが、参加者数は昨年の96名に対し今年度は195名と倍増し、学院について知りたいという需要の大きさを感じました。
 参加された皆さんには、それぞれの学科が目指すリハビリテーション専門職の業務内容や当学院の雰囲気等を体験していただいたわけですが、今後の進路を検討する際にこの体験を役立てていただければ幸いです。
 以下、それぞれの学科が創意工夫した当日の様子をご報告いたします。


言語聴覚学科
 言語聴覚学科は、94名の参加者を、4名の教官と59名の学生がお迎えしました。参加者は昨年の2倍を越える人数となり、6階の研修室を使用しなければなりませんでした。
 大研修室では教官による学科の全体説明を、中研修室では在校生と参加者との交流を行いました。4階の学科フロアーでは、「公開授業」と「体験コーナー」を行いました。一年生は、[公開授業:高次脳機能障害」の講義と検査演習で明るく活発な受講風景を作り出していました。一方、二年生は、「体験コーナー」と「参加者との交流」を担当しました。「体験コーナー」は、聴力検査を受けてみる“聴力はどのくらい”、音声の視覚化装置による各自の“発音を目で見てみよう”、嚥下障害者用の“とろみ食を試してみよう”を行いました。
 二年生は学院で学んだ知識と技術を遺憾なく発揮し、各コーナーを担当した教官は何もすることがない程でした。また、二年生は全員お揃いのクラスTシャツに身を包み、この服装の者には気楽に声をかけ、話し込んでいいという雰囲気を作り出していました。さらに臨床実習の成果ともいえる誠意をもって心から人に接することを通して多くの参加者と楽しく話し合っていました。言語聴覚士を目指そうとする参加者の熱意をさらに高めることができたと思いました。
(写真1)聴力はどのくらい   (写真2)参加者との交流
聴力はどのくらい   参加者との交流


義肢装具学科
 義肢装具学科への参加者は72名で、昨年に比べると倍増し、多くの方々に当学科を知っていただくことができました。
 学院生活や卒業後の進路などについて説明した後、①装具製作のデモンストレーション、②トリッシャムを用いた自分の手や足の採型及び石膏モデルの製作、③大腿義足・下腿義足の体験、④義手の体験、⑤歩行時の足底の圧力の計測の5つのコーナーを設け、興味のあるコーナーを自由に見学していただくオープン形式としました。特に模擬的に義足・義手を体験するコーナーでは、参加者のほとんどが初体験で、“驚きあり”、“操作ミスあり”で大変盛り上がっていました。ほとんどの参加者がすべてのコーナーを見学・体験していました。
 また在学生も積極的に交流をはかり、参加者は学院生活の雰囲気について熱心に質問していました。特に大腿義足を実際に使用している学生の周りには人垣ができるほどでした。
 義肢装具士の仕事に興味を持つ参加者にとって、当学科の教育内容と学院生活をより深く理解していただく絶好の場になったと思います。


視覚障害学科
 視覚障害学科では、参加者がフロアーに到着するとすぐに、アイマスクを渡しました。そして、3つのグループに分かれ、視覚障害疑似体験をしてもらいました。
 課題は3種類で、一つは学生の腕を握り手引きで、そして次に学生の声を手がかりに白杖を左右に振って、屋外を一人で歩いてもらいました。初めは緊張気味の参加者も、しばらく歩くと慣れてきて、楽しいという感想も聞かれました。
 二つ目はパソコンを前に、ワード文書の文字入力をしてもらいました。入力した文字を音声で確認できると、参加者から驚きの喚声があがりました。
 三つ目はクッキーを作ってもらいました。調味料を選ぶ、材料を計量する、同じ大きさに成型する工夫や手がかりなど、いろいろなアイデアが参加者からでました。
 体験後、学科の概要説明と続き、最後に8名の参加者は、学生と卒業生が準備した交流会へ。焼きあがったクッキーを味わいながら、入学試験の内容や講義・演習内容、カリキュラム、就職先などについて、熱心に質問がありました。話題はなかなか途切れず、学科を知ってもらうよい機会となりました。さらに、体験から視覚障害や視覚障害者の生活に今まで以上に興味を持ち、関心を寄せてもらえることを願います。
(写真3)アイマスクを使っての調理体験   (写真4)アイマスクを使っての歩行体験
アイマスクを使っての調理体験   アイマスクを使っての歩行体験


手話通訳学科
 手話通訳学科は、昨年に引き続き、「学科説明」と二つの「体験授業」を用意しました。体験授業は、同時通訳のトレーニングの一つである「シャドーイング(聞いた言葉をそのまま少し遅れて発する訓練)」の体験、もう一つは、手話ネイティブのろうの先生が、手話で手話を教える「手話実技」です。その合間と終了後には、在校生が準備した「パネル展示」と「動画上映」を見ながら、参加者と在校生が自由に交流できる時間を設けました。
 オープンキャンパスも2回目となり、在校生の中には昨年のオープンキャンパスに参加した者もいます。彼らの意見を参考にしながら、参加者の方々に「ぜひ入学したい」と思ってもらえるようにと企画しました。体験授業は入学後の授業の楽しさと厳しさを感じることのできるものを、そして、在校生の生の声を思う存分聞くことができるように──。当日の参加者は17名。終始なごやかな雰囲気で、いいオープンキャンパスになったと思います。
(写真5)体験授業(手話実技)
体験授業(手話実技)


リハビリテーション体育学科
 リハビリテーション体育学科への参加は6名で、当日は学科の全体的な説明と施設の見学に加え、障害者スポーツの体験を実施しました。具体的には①電動車いすでのスラローム、②視覚障害者の種目であるゴールボール、③知的障害者の種目であるボッチャ(投球補助装置あり)の3つを体験していただきました。
 最初は緊張していた参加者も在校生と一緒に練習やゲームの作戦を立てていくうちにすっかりと打ち解け、ゲーム中には笑い声や歓声も聞こえるようになりました。初めて体験する種目ばかりだったせいか、熱心に参加してくれました。
 また、学院生活の疑問だけでなく、進路や障害者スポーツの実情などを真剣に質問されることもあり、今回のオープンキャンパスは情報収集の場として活用してもらえたと思います。これを機会に、障害者スポーツに関わることへの関心が高まることを期待しています。
(写真6)ゴールボールの投球練習   (写真7)ボッチャの試合
ゴールボールの投球練習   ボッチャの試合