〔学院情報〕
学院交流会開催される
 


 学院交流会は、学生相互の理解を深めるために毎年秋に行われている行事です。具体的には、学生が2つの班に分かれて、順番にすべての学科をまわり、自分の在籍する学科以外の学科について授業内容などを見学して理解を深めあうものです。各学科での説明も学生が行います。今年は11月6日金曜日に開催されました。
 各学科の見学は15時頃から始まりました。ひとつの学科で15分ほどの説明を受け、次の学科へと移動します。学生達は日頃知ることができない他の学科の授業内容の説明に真剣に聞き入っていました。
 説明を行う側では、自分の学科をどのようにわかりやすく説明するかという点について仲間同士で知恵をしぼったり手作りのパネルを準備したりと、苦労もあったようですが、たいへん貴重な体験をしたようです。
 学科の見学を終えたあとは教職員も交えての懇親会が行われ、学生同士あるいは学生と教職員の交流が深まりました。以下、学生からの声を報告いたします。

言語聴覚学科  1年 高橋幸那


 「○○学科って何て略すんだっけ?」「○○学科ってどんなことしてるの?」…入学して半年以上が経つにも関わらず、1年生の教室では時々このような会話が聞こえてきます。そんな知っているようで知らない他学科の勉強内容を、今回の学院交流会ではお互いに楽しみながら学ぶことができました。POによる装具作製実演、SIによる手話を使った伝言ゲーム、RSによる機器や車いすの説明、RBによる盲体験、どれも初めて知ることばかりでとても興味深かったです。ST学科の説明では、2年生による発表に私たちST学科の1年生までもが「へえ〜なるほど」と頷いてしまいましたが、他学科のみなさんにもST学科のことを少しはお伝えできたでしょうか。
 勉強している内容や目指している職業は違っても、「障がいを持つ方々やコミュニケーションで困っている方々の力になりたい!」という気持ち、それがどの学科にも共通する思いであり、国リハ学院生を繋いでいるものなのだなぁと感じました。

義肢装具学科 2年 小林奈月


 先日行われた学生交流会を最も楽しみにしていたのは、他でもない私たちPO学科です。なぜなら、普段隔離されたPO棟内で、3学年27人こぢんまりと授業を受けている私たちにとって、交流会は堂々と学院棟に入って他学科を見学できる最大のチャンスだからです。また、私たちPO学科がなぜ一学科だけ隔離されているのかを納得してもらえる、年に一度のチャンスでもあります。
 当日、まずPO学科の紹介では3年生の手馴れた装具製作実演で、他学科のみなさんは歓声を上げたり、写真を撮ったりと予想以上の好感触を得られました。続いて他学科の紹介では、車いす操作や言語療法の実演、手話を使った伝言ゲーム、視覚障害体験など、どの学科も趣向を凝らした紹介で見る人を飽きさせず、充実した時間を過ごすことができました。その後の懇親会ではさらに他学科との交流が深められ、楽しみにしていた交流会は大成功に終わりました。

視覚障害学科 1年 松﨑 英子


 学院3階(視覚障害学科)フロア以外、他学科のフロアや、特に義肢装具士養成棟に足を運ぶ機会があまりなかったので、今回の交流会で初めて他学科のことを学ぶことができました。説明も各学科多種多様で、手話を使った伝言ゲーム、発語の仕方による聴覚障害の時期の判別方法、車いすの操作、足型作成の実演等、それぞれの学科ごとに特色がありとても新鮮でした。
 逆に、私たちは、アイマスクをしてお茶を入れる体験をしてもらいました。各学科の見学や体験をして、改めて当たり前のようにある五感の重要性や、援助の必要性を感じることができました。
 また、夜に行われた懇談会は多くの学生や先生方が参加し、各テーブルに分かれて他学科の学生との交流があり、また、チームに分かれてゲームをする等、とても楽しい時間を過ごすことができました。
 今回の交流会に参加して、たくさんの情報を得ることができ、自分自身の視野も広がったように思います。今後の学院生活にも活かしていきたいと思いました。

手話通訳学科 1年 平良 藤乃、斎藤 朝美


 最近、テレビや映画などで手話を目にする機会は多くなりましたが、実際に体験することはなかなかないと思います。今回の交流会では、他学科のみなさんにわずかな時間ではありますが、手話を体験してもらいたいと思い、企画しました。
 まずは、手話通訳学科の1日の様子を映したムービーを観てもらいました。教官室に声をかける時も、もちろん実技の授業中も、すべて日本手話での会話なので、ムービーには音声が入っていません。私たちにとってはそれが日常ですが、他学科の学生には珍しい光景だったようです。
 次に手話で色と形を伝えるゲームを行いました。色のついた図形を覚えて伝達していくというものですが、左右逆に伝えてしまったり、色が違ったりしてうまく伝えることができず四苦八苦していました。手話で物の大きさや形を説明することは一見簡単そうに見えますが、実は難しいのだということが実感してもらえたと思います。
 交流会では、障害者の立場を体験する「疑似体験」などもあり、改めて障害のある人、それをケアする人、それぞれの視点から各分野について考えることができました。また、各学科とも、学生とはいえプロフェッショナルを目指す者としての意識の高さを感じました。とても有意義な時間となりました。

リハビリテーション体育学科 1年 橋本 拓


 リハビリテーション体育(以下RS)学科では、まず初めに、RSとは何か?普段の講義や課外活動では何を学んでいるのか?等についてパネルを使って説明を行い、次に、移動しながら実際にRS学科フロアにある部屋・設備の紹介をしました。最初の部屋では、セラピューティック・レクリエーション概論という授業で使用するRS学科伝統の太鼓の紹介、次の部屋では運動負荷試験概論で使用する車いす用トレッドミルと自転車エルゴメータの説明を行いました。そして通称プレイルームと呼ばれ、実際に体操や軽い運動が出来、その為の用具が揃っている運動学習実習室について解説を行いました。最後に、そのプレイルームにスポーツ用の車いすと段差・ストレッチマットを持ち込んで、キャスター上げ、その状態での前進・後退、段差昇降、悪路走行などの車いす操作法を披露しました。
 各学科を見学し、実践を交えて体験できた事によって、それぞれの専門性についてより理解を深められたように思います。又、自分達としても、RS学科で日々行っている事を振り返り伝える事で、これから進んでいく道を再確認できました。


(写真1)視覚障害学科「アイマスクをしてお茶をいれてみよう」
視覚障害学科
「アイマスクをしてお茶をいれてみよう」
 
(写真2)リハビリテーション体育学科「車いす操作法の披露」
リハビリテーション体育学科
「車いす操作法の披露」