〔更生訓練所情報〕
頸髄損傷による四肢麻痺がある方の
自立訓練サービスの開始
更生訓練所 総合相談課


 更生訓練所では、昨年10月、重度の身体障害者が生活する宿舎棟の一部改修工事が完了したことから、これまでの視覚に障害のある方以外に「頸髄損傷による四肢麻痺がある方々」を新たな対象者として加え、自立訓練(機能訓練)によるサービスを開始しました。
 頸髄損傷者専門の施設でのリハビリ訓練は、兄弟施設の国立伊東及び別府重度障害者センターですでに実施しておりますが、民間施設で受け入れが少ない中、利用ニーズに答えるべく創立30年を迎えた今年度に取り組みを始めることになりました。
 機能訓練は、利用者の日常生活動作の自立を図り、家庭復帰や職場復帰等を目標として、各種専門スタッフによる支援サービスが行われています。医学的管理・支援や介護サービスのもと、理学療法、作業療法や運動療法等の医学的リハビリテーションやパソコン等の技能習得のための職能訓練、生活相談や修了後の支援などの社会的支援が行われています。
 施設整備は、東棟宿舎1階の南フロアーを改修し、居室、訓練トイレ、介護トイレ、介護浴室、支援ステーションなどを配置しました。居室には、電動ベッド、リフター、ナースコール、シャワードレッサー付きの洗面台、自動ドア等頸髄損傷者が快適に生活できる環境や設備を整えています。また、トイレや浴室は、障害の状況に応じて訓練や利用ができるように様々なタイプを用意しました。
 現在5名(平成22年1月現在)の方々が利用しており、自立生活の獲得に向け日々一生懸命に訓練に励んでいます。更生訓練所では、より専門性を高めるとともにサービスの質の向上に努力して参ります。


自立訓練(機能訓練)の概要
支援サービス 内容 スタッフ
医学的支援 内科、整形外科、泌尿器科 医師
看護 排泄、排尿、呼吸等医学的管理 看護師
介護 食事、移動、入浴等の支援 介護員
理学療法 可動域訓練、移動訓練、機能向上 理学療法士
作業療法 食事・入浴・排泄動作訓練、自助具製作等 作業療法士
運動療法 機能向上、維持、スポーツ活動支援 運動療法士
職能訓練 パソコン技能、手工芸等 職業指導専門職
生活支援 宿舎生活、相談支援 生活支援専門職
その他 自動車習熟訓練 自動車訓練専門職等


(写真1)支援ステーションの様子1
支援ステーション
 
(写真2)居室   (写真3)トイレ
 
(写真4)浴室