〔卒業生訪問シリーズ〕
センター学院卒業生の就職先を訪問して
管理部企画課


 今回は、当センター学院リハビリテーション体育学科を卒業され、現在「医療法人社団白鳳会 大角医院デイサービスセンター」(東京都練馬区)にリハビリテーション体育士として勤務されている 遠藤 晋様(10期卒業)と 鈴木 真生子様(16期卒業)のお二人を取材いたしました。
 「大角医院デイサービスセンター」は、通所介護事業所として、在宅の要支援・要介護高齢者に対し、通所により、身体機能の改善や心のケア等に必要な各種サービスを提供することによって、これらの高齢者の心身機能の維持・向上などを図っています。
     
1.現在の職場(所属先、仕事の内容)について教えて下さい。
 大角医院デイサービスセンターでは、生活相談員、看護師、介護職員など非常勤を含め13名の職員が働いています。私たちは、リハビリテーション体育士として、運動指導や介護業務、送迎業務、その他管理業務(事務)等を行っています。
     
2.運動指導の具体的な内容を教えて下さい。
 運動指導として、集団体操(ストレッチ、リズム運動、筋力強化ほか)、歩行練習(平行棒、応用歩行、介助歩行ほか)、マット運動(体操、ストレッチ、筋力強化ほか)、マシントレーニング(エアロバイク、トレッドミル、レッグプレス、滑車ほか)などを行っています。
 運動指導は、利用者様がその身体の機能の維持向上を図るだけでなく、生き生きとした在宅生活を送っていただくこと、また生きがいを再発見していただくことも目的としています。そのためサービスの提供にあたっては、理学療法士、リハビリテーション体育士、トレーニング指導士、音楽療法士などの専門スタッフが関わりあいながら、レクレーション、ゲームなども取り入れ、楽しく、安全で、効果的な運動プログラムとなるよう心がけています。また利用者様相互の交流を図り、心のケアを行っています。

     
(写真1)センター学院卒業生の就職先での様子1   (写真2)センター学院卒業生の就職先での様子2
     
3.現在の職場に就職した理由について教えて下さい。
(遠藤)  学院リハビリテーション体育学科卒業後、国リハで非常勤としてスポーツ訓練の補助員として勤務している中で、高齢の方々、特に何らかの障害を持った方々の地域・在宅生活に興味を持ち始めました。そんな中、大角医院デイサービスセンター前任の先輩(7期卒業)よりお誘いを頂き、自らの学んだ知識や技術を生かせる職場であると考え、就職しました。
(鈴木)  高齢者の施設で実習を行ったことをきっかけに、高齢者に携わる仕事に就きたいと考えていました。また、学院での学びを仕事へ直接活かすことの出来る環境を探していました。その矢先、先輩からのお誘いをいただき、就職しました。
     
4.仕事で心がけている点や苦労、またやりがいはどんなときに感じますか?
(遠藤)  その日その日のプログラム提供場面で、利用者様の笑顔や心・体の大きな動きを一つでも引き出そうと心がけています。苦労していることは、高齢や障害があること等様々な理由から運動プログラムの効果がすぐに表に現れにくいことです。ですが、逆にそれがやりがいでもあります。利用者様の明るい表情や声に接したときは、大変うれしく、やりがいを感じます。
(鈴木)  利用者様との関わりにおいて、“心の通うコミュニケーション”、“その一瞬のや り取りを大切に“という想いを常に心に留め、接しています。またプログラム提供場面では、利用者様がその内容や他の利用者様との関わりを通して、日常生活では引き出すことの難しい心身活動を、少しでも引き出せるための工夫を行っています。そして利用者様の笑顔に触れたときや、「楽しかった」、「来て良かった」などの声を寄せていただいたときには、やりがいを感じます。
     
5.学院リハビリテーション体育学科を志望した理由、きっかけについて教えて下さい。
(遠藤)  大学在学中、心身に何らかの障害を持った方々のスポーツに興味を持ちました。そして職業として未知の分野に挑戦しようと考え、ゼミの教授より、国リハの募集要項を紹介され、志望しました。
(鈴木)  海外ボランティアで、障害のある方々が多く集まる施設へ行きました。そこで、障害がありながらも生き生きと運動やスポーツを行っている姿を目にし、その光景に感銘を受けたことがきっかけです。また、“リハビリテーション体育”という未知の領域に興味があり、志望しました。
     
6.学院生活について、特に思い出に残っていることは何でしょうか。
(遠藤)  実習で、実際の対象者と直に触れ合い、対象者の心身機能や人生に関わることのできた経験が特に思い出に残っています。
(鈴木)  実習で初めて担当した患者様に自ら考えた運動プログラムを提供し、様々なご指摘やアドバイスをいただいたことが印象的です。また学院生活においては、同期に障害のある友人がいて、共に歩み、励まし合いながら過ごした日々が、特に忘れられない思い出です。
     
7.リハビリテーション体育学科で勉強している後輩へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
(遠藤)  リハビリテーション体育学科では、様々な知識や技術を学びます。しかし社会に出て、対象者に伝えるのは、知識や技術ではなく、「魂」です。健闘を祈る!!
(鈴木)  卒業して改めて感じましたが、学院で学び、経験したことは、本当に貴重で、意義のあるものです。仕事はもちろん、その他様々な場面において直接的に、あるいは間接的に必ず役に立ち、自分自身の支えとなります。前向きに積極的に学び、有意義な学生生活を送って下さい。
     
8.これからリハビリテーション体育学科に入学しようとしている方々へ向けてお二人からセンター学院のPRをお願いします。
(遠藤)  リハビリテーション体育は、社会的にはメジャーとは言い難い領域ですが、障害のある人々の増加、障害の重度化・重複化、高齢化などに伴い、そのニーズは、今後ますます高まってくると感じています。
(鈴木)  学院生活では、講義や実習を通し、通常では体験することの出来ない貴重な経験をすることができます。これらのことは自分自身の糧となり、将来あらゆる場面で役立つと確信しています。それに何より、沢山の素敵な仲間との出会いもあります!
   
−遠藤さん、鈴木さん、ありがとうございました。
   
(写真3)センター学院卒業生の就職先での様子3