〔自立支援局情報〕
主体的に変わるために
−第31回理療教育入所式−
理療教育・就労支援部 理療教育課


 平成22年4月8日、寒暖の差が大きい中でも逞しく開花する桜の下、新たに鍼灸マッサージ師の道を拓く方々が、当センターの扉を開かれました。
 当日は、本館大会議室において利用契約を整えた後、席を移して入所式が挙行されました。
 この3年は新入所の人数が20数名でしたが、7年ぶりに40名の方々をお迎えすることとなりました。人が増えればそれなりの賑わいがございます。
 名前を呼ばれる各人の表情には、これからの学習の日々に対する緊張と、多くの仲間に囲まれてこれからの3年、5年を過ごす希望がうかがわれました。
 次に、江藤自立支援局長が挨拶に立ちました。
 理療師の国家試験の厳しさは、その呼称が古く律令制度に規定されており、長い歴史の中で伝統医療として受け継がれ、現代医療とともに、広く国民の支持を得ている故であることが述べられました。
 また、最近は変化が求められる社会ですが、たとえば、PCやインターネットを使いこなし、学習に如何に役立てていくかというように、主体的に変わっていくことも明るい未来に向けて必要であるのではないかという提案がなされました。
 新1年生への激励のほか、同席された家族や福祉事務所等の方々へのお礼と継続的な支援をお願いする挨拶の後、幹部職員の紹介がなされ、式を終えました。
 さて、昨年度実施された第18回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師試験の結果は、一定の成果を得ることができました。第17回の結果を在籍者と教官とが真摯に受けとめて臨んだ証です。
 受験生が1人であっても、合格すると100%の合格率となることから、パーセンテージだけで教育や学習効果の是非を判断するのは危険な面があります。
 むしろ、私たち教官は、合格した方のその後の落ち着きと、不合格だった方の面持ちを直接目の当たりにしておりますから、切実な思いを持ちます。
 入所式終了後、専門課程3クラス、高等課程1クラスの各学級担任との顔合わせが行われました。各人が円滑に次のステージに進めるようにとの願いをひとつにする挨拶がありました。
 理療教育は3つの分野からカリキュラムが組まれています。基礎分野(人文科学概論、自然科学概論、保健体育など)、専門基礎分野(解剖学、生理学など)、専門分野(経絡経穴概論、東洋医学臨床論など)です。また、専門分野には、あん摩、マッサージ、指圧、鍼、灸の各実技科目と臨床実習も含まれます。専門課程、高等課程とも所定の単位を取得して国家試験受験資格を得ることとなります。
 当課は、今年度、部長以下大きな人事異動があり、新たな体制で教育実践に取りかかります。在籍する方々の学習方略の変化と同様に、教育方略も時代に応じて再構築する努力が欠かせません。私たち一同、質の高い施術を提供できる臨床家を養成して社会に送り出すために、日々の研鑽は勿論のこと、授業評価や授業公開、研究授業の取組みを継続、発展させております。
 自立訓練に始まり、就労へと続く視覚障害リハビリテーションに、国家資格取得プログラムを提供し続けている自信と誇りを持って、新入所の皆さんと共に学ぶ所存です。御一緒に道を拓きましょう。


(写真)新入生を迎えて江藤局長の挨拶
新入生を迎えて江藤局長の挨拶