〔自立支援局情報〕
自立訓練部利用者の野外訓練実施報告
自立訓練部  輪竹 一義


 去る7月28日(水曜日)に「国営昭和記念公園 バーベキューガーデン」とセンター野球場バックネット裏の2つに分けて、自立訓練利用者(視覚障害、肢体不自由、高次脳機能障害)の野外訓練を実施しました。2つのグループに分けた理由は、記録的な猛暑が続く中での屋外作業のため、体温調節が難しい頸髄損傷者をはじめ利用者の体調管理に配慮し、急遽、当初の計画を大きく変更せざるを得なくなったためです。また、全体のスケジュールにおいても、時間を短縮する形で実施することとなりました。昭和記念公園グループは、利用者21名(視覚障害9名、高次脳機能障害12名)が、センターグループは、利用者8名(頸髄損傷)が参加しました。
 この野外訓練は、視覚障害者や肢体不自由者を対象とする機能訓練と高次脳機能障害者を対象とする生活訓練のそれぞれの自立訓練利用者の皆さんが一緒になり、事前準備で役割分担を決めながら相互理解を深めるとともに、当日はバーベキューを通じて交流を深め、リフレッシュすることを目的に毎年実施しています。5月初旬から野外訓練の場所や内容の検討を始め、6月下旬にホームルームを通して利用者に対する説明会を行い、7月から毎週水曜に利用者全員が学習室に集まり、職員と協力しながら役割分担など当日に向けた準備を進めてきました。
 昭和記念公園グループは、道中、バス内で利用者と職員が自己紹介をするなどして、全員が一緒になって楽しむことができました。昭和記念公園の駐車場に到着してからは、目標のバーベキューガーデンまで強い日差しを避けるため、木陰を選びながら徒歩で15分程かけて移動しました。移動については、みなさんからは思ったほど疲労の訴えも聞かれず一安心でした。バーベキュー会場ではテントの日陰に入り、季節の野菜や牛肉、豚肉を鉄板で焼きました。また、生麺を調理した焼きそばも好評でした。みなさんお腹一杯になるまで食べることができ、屋外でのバーベキューの醍醐味を堪能することができました。公園内は、猛暑日だった割には幸いほどよく風も通り、テントの日陰もあって暑さが少し和らいだ感がありました。
 センターグループでは、最初は外に出ることに消極的だった頸損利用者も、グランド横の木陰が意外と涼しく、炭火焼きバーベキューに舌鼓を打ちました。普段とは違う屋外での食事は開放感があり、とても楽しいひとときとなりました。
 結果として、今年は猛暑の影響で、利用者の皆さんが話し合って企画した内容をそのまま実行することはできませんでしたが、体調を崩す利用者もなく無事に終えることができたこと、猛暑がかえって利用者と職員の協力を深めたことは有意義だったと思います。
 来年度以降の反省点としては、全員が一緒に参加できるよう、実施時期や場所を吟味しながら準備を進めたいと思います。

(写真)バス車内の参加者   (写真)食事を楽しむ参加者
     
(写真)バーベキュー風景